「ディーゼル(DIESEL)」はミラノ・ファッション・ウイーク期間中の9月20日に、2024年春夏コレクションを発表した。「ラグジュアリーのオルタナティブ的存在」を掲げ、開かれたブランドであることを目指す同ブランドは今季、野外スタジアムのような会場に一般客を含めた7000人の観客を招いた。うち1500人は学生だ。雨天の中、一部を除き全員がスタンディングでショーを鑑賞し、野外レイブのような熱気に包まれた。
ショーはロンドンを拠点とするラジオ局「NTS」とのコラボレーションで、8時間に及ぶ番組の最中に行われた。ショー開始直前には、会場の巨大なスクリーンにカウントダウンが写し出され、観客たちの機運を高めた。ファーストルックは、ダメージ加工に見立てジャージー生地を剥がれ落ちるように縫い付けた透け感のあるマイクロミニドレス。その姿は若々しく潔い。シグネチャーとなりつつあるダメージ加工風の透け感のある素材は、メンズのタンクトップやエレガントなロングドレスなど表情を変えてさまざまなアイテムに登場した。
中盤からは映画ポスターのプリントをモチーフに、遊び心を加えた。アクション映画風のポスターを全面にプリントしたTシャツやレーザーカットプリントで色あせたポスターを表現したレザートップスなど、これらはショー終了後の週末に同会場で開催する無料の映画祭を予感させる仕掛けだ。映画界の華やかなムードは、ゴールドのルレックスドレスに引き継がれる。大胆なカッティングのラップドレスやディストレス加工を施したタキシードなども登場した。
グレン・マーティンス(Glenn Martens)=クリエイティブ・ディレクターは、「今回のコレクションは『ディーゼル』の精神そのものであり、すべてにおいて民主的で実験的だ。人生を楽しむために、毎日がパーティーであるべきだと信じている」とコメント。「ディーゼル」の持つノウハウを最大限に発揮し、実験的なクリエイションを続けてきたグレンは、今季もそれを発展させ"ブレイブ"に人生を謳歌する若者たちに強いメッセージを投げかけた。