「メンズスキンケアのつっぱり感が苦手で、他の商品を試したい」「女性の友人のお勧めで、アイライナーを探しに来た」。コスメ売り場では最近、このような男性客が増えているという。きっかけはコロナ禍とKカルチャーブーム。リモート会議で自分の肌状態を気にしてスキンケアを始めたり、はやりの韓国アイドルをまねてメイクをするようになったり。美容への関心が高まり、「自分に合ったコスメが欲しい」という男性が増えている。小売りやメーカーはこのようなニーズに対応。商品ラインアップが画一的だったメンズコスメ売り場も、「ジェンダーレス」や「成分コスメ」といった新提案で変わり始めている。(この記事は「WWDJAPAN」2023年9月25日号付録「WWDBEAUTY」からの抜粋です)
ルーティン化したスキンケア
フロンティアのメイクアップ
調査会社インテージの調べでは、2022年の国内の化粧品(基礎化粧品、メイクアップ化粧品、日焼け止め)の市場規模は1兆1770億円。コロナ禍の20年は、マスク着用の常態化でリップメイクの需要が激減。前年比11%減と落ち込んだ。その後もコロナ前の水準(19年:1兆2638億円)には回復できていない。
男性化粧品に絞ってみると、パイは小さいが、ここしばらくは右肩上がりで推移する(下記グラフ参照)。コロナ禍でも勢いは衰えず、むしろ成長幅はやや大きくなった。22年の市場規模は推計376億円で、5年前の17年(推計249億円)のおよそ1.5倍。成長要因は基礎化粧品だ。コロナ禍でスキンケアをしていなかった潜在層が掘り起こされた。
男性化粧品の市場規模の推移(インテージ調べ)
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