アルビオンは5月28日、2012年度の決算を発表した。売上高は対前年比103.3%の441億9400万円(国内同100. 4%、海外同135. 4%)、営業利益は同75. 3%の37億9800万円、純利益は同49.1%の13億3000万円だった。営業本部の業績では、アルビオンが同100.8%、イグニスが同99. 2 %、エレガンスが同105.7 %で、総合で同101. 2 %。小林章一・社長は「前年超えは4年ぶり。年初のいくつかの閉店により、既存店ベースでマイナス4億円からのスタートの中、前年を超えられたのは大きい。1店当たりの売り上げは順調に伸び、年間売り上げ1億円超えの店舗も43店に達し、2億円超えも4店あった。お客さま一人ひとりの満足や喜びの積み重ねの結果であることを胸に刻みたい」と語る。
また、国際事業本部では海外が好調なアナ スイや、店舗を拡大するレ・メルヴェイユーズ ラデュレがけん引し、同112.5%だったが、各ブランドとも国内が苦戦。小林勇介・国際事業本部 取締役本部長は「13年度は各ブランドのスターアイテムやカテゴリーの強調、各ブランドに合ったお客さま目線の接客、製品が目立つコーナー作りを徹底し、各ブランドのファン拡大を目指す」と語る。
また、同社は4月から、これまでコーセーの王子研究所内に設けていた「アルビオン王子研究室」を移転し、東京都中央区東日本橋に「アルビオン東日本橋研究所」を開設した。同ビル内に一部の営業部署も併設、本社のある銀座とも近いため、有用な情報や現場の声をいち早く導入し、製品開発に生かすことを目指した。計4フロアの内、2フロアが実験室、残りの2フロアが事務室。実験室の実験台は、あえて導線を複雑に配置することで、研究員同士の接点や偶発的なコミュニケーションが生まれる環境作りを留意。また、事務室は各自の席を持たないフリーアドレス制を導入した。
化粧品の効果検証や美容機器の研究開発などを行なう白金研究所、原料となる植物を栽培し、原料開発や基礎研究を行なう白神研究所を合わせた3つの研究体制で、より充実した研究開発を行なっていく。