ニューヨーク発−アメリカの化粧品市場で、ヘアケアカテゴリーが盛り上げりをみせている。調査会社のシンフォニーIRIグループは、5月19日までの1年間でスーパーマーケットやドラッグストア、GMSなどのマス流通におけるヘアケアアイテムのカテゴリー別売上高を発表。シャンプーは対前年比102%の26億ドル(約2444億円)、コンディショナーは同106.2%の18億ドル(約1692億円)だった。
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その要因について、ユニリーバのデヴィッド・ルビン=ヘアケア部門マーケティング・ディレクターは「髪のエイジングケアやスカルプケアなどのスペシャルケアが売れている。スキンケアカテゴリーは、美容液やピーリングなど、アイテムを増やす提案で成長を続けてきた。今、ヘアケアカテゴリーも同様の提案で市場が伸びている」。
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ヘアケア製品の好調は、プレステージコスメ市場でも同様だ。NPDグループのカレン・グラント=ヴァイス・プレジデント兼グローバル産業アナリストによると、米百貨店のヘアケア製品の売り上げは、2007年の6000万ドル(約56億4000万円)から、12年には9700万ドル(約91億1800万円)に拡大。スペシャルケアアイテム全体の伸び率は同118%で、特にモロッカンオイルが火付け役となったオイルトリートメントカテゴリーは同140%だった。グラント・アナリストは「好調ブランドは、バンブルアンド バンブル。プレステージ感と効果実感の高さで、人気を集めている」。またWSLストラテジック リテールのウェンディ・リーブマン=創設者兼最高経営責任者は「市場はネイルに継ぐホットカテゴリーを探している。ヘアケアのターゲットは高感度で年齢層が高めの男女であることから、単価が高い製品が多く、小売りの期待も高い。しかし、忙しい彼らに訴求するためには、効果と価格のバランスには注意すべき。『これなら少し高いけれど、払ってもよい』と思わせることがポイント」。昨年からのネイルブームが一段落した今、次なる注目カテゴリーは日本も含め、ヘアケアとなることは間違いないようだ。