自社のアイコンアイテムをどうアップデートしていくかはブランドにとって命題の1つ。「パタゴニア(PATAGONIA)」は50周年を記念した「ナチュラル・アイコン」でアイコニックなスタイルを天然素材を用いて作り替えることを大きなテーマに掲げた。目的はマイクロプラスチックを減らすこと、そして自然界とのつながりを想起させること。日常からアウトドアまで幅広いシーンに向けた製品だ。スポーツウエアの製品開発担当のマーク・リトル(Marc Little)にコレクションのポイントと特に思い入れのある製品について聞いた。(この記事は「WWDJAPAN」2023年10月23日号からの抜粋です)
マーク・リトル/メンズ・ライフ・アウトドア グローバル・プロダクト・ライン・ディレクター プロフィール
オハイオ州立大学でフランス文学とコミュニケーションの学士号を取得。「アバクロンビー&フィッチ(ABERCROMBIE & FITCH)」などさまざまなアパレルメーカーを経て2012年1月パタゴニアに入社。メンズ・スポーツウエアとサーフ・アパレルの製品ライン・マネージャーを務め、15年3月から現職 PHOTO : SHUHEI SHINE
COMMENT
私たちは50年の学びを生かすことができる岐路に立っていると考える。これからの50年、何を持っていき、何を置いていくのか。どんな素材を使い何を広げていきたいのかーマイクロプラスチックを減らし、自然界とのつながりを思い出させてくれる天然素材を使っていきたい。
50年前、「パタゴニア」はウールのセーターと毛皮からインスピレーションを得て、合成繊維の「フリース」を開発した。しかし今日、私たちはプラスチックが至る所にあることに疑問を持っている。われわれはリサイクル合成繊維が必要かつ有用な時、どう使用できるのか?私たちは「均衡の中の繁栄」(Thrive in Balance)をもくろんでいる。合成繊維は機能面で大切なので使用する場合は、廃棄物を再加工したものを使っている。そして、農業を変革する環境再生型有機農法を支援することが未来にポジティブな影響をもたらすとも考えた。合成繊維の代わりとなる機能性を持たせた天然素材の活用もポイントになっている。どんな方にでも着てもらえるようにジェンダーインクルーシブで作っており、「LESS IS MORE(より少ないことで多くのことをしよう)」にもつながっている。
ワックスド・コットン・ジャケット
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