ゆったりとしたムードが漂う土地柄もあってか、個性が際立つ気になるお店やイベントが多い京都。そんな京都で毎月10日前後に開催されているのが、平安蚤の市。毎月100以上の古道具屋や古着屋が全国から集うフリーマーケットです。
多くは平日に開催されるため、関東圏に住む私はなかなか行けなかったのですが、ついに初「平安蚤の市」を体験できることに。現地で出会った素敵なオーナーさんやお店を紹介します。
「平安蚤の市」は、2019年から平安神宮前の岡崎公園で開催しています。出店しているのは、古物商の資格を持つお店のみ。最近は出店希望者が多く、抽選で選ばれないと出店できないので、出店していたお店のオーナーさんはみな「次にいつ出せるか分からない」と口をそろえていました。
主催は、アンティーク雑貨や古道具のセレクトショップ、SOILを運営している、仲平誠さん。「蚤の市は、おしゃれすぎて高齢の人が行きにくかったり、その逆だったりするけれど、『平安蚤の市』は、出店者もお客さんも幅広い年代の人がいる。出店しているお店も、その時々で違います」。
まずお話を聞いたのは、ミッドセンチュリーと呼ばれる、1940〜60年ごろにアメリカ・カリフォルニア州の西海岸で生まれたデザイン様式の雑貨を取りそろえる、ジオメトリカ。エレガンスとポップなかわいらしさが融合した香水瓶が豊富で、中には時計をデザインしたものや真っ赤なリンゴをそのまま瓶にしたようなインパクトのあるものも。
オランダやドイツで買いつけたぬいぐるみや陶器を販売するヒガシマチマーケット。オーナーは、これまでに家具の設計や住宅の販売のほか、バイク屋や古着屋などさまざまな仕事を経験。今は脱サラして、ほかの仕事でも収入を得ながら、全国の蚤の市やフリーマーケットに出店しているそう。
ハイ ワークス マルハは、福島県に拠点を置く古道具屋。オーナーが音楽好きということで、古道具と音楽関連の書籍・雑誌、ロックTシャツが同居していました。オーナーの好みがダイレクトにラインアップに反映されるのも、蚤の市の面白さ。
京都府亀岡市に店を構えるSEEDは、俣野さん夫婦によるアンティークショップ兼フォトスタジオ。来店客に気さくに話しかける陽気な祐希夫さんとしっかり者の奥さまとのコンビネーションが素敵。北欧風の洗練された陶器が多いように見えますが、祐希夫さんは「日本のもので自分のスタイルを作りたい」との思いで、日本中の小さなお店をまめに回って、買いつけをしているそうです。最近、紙面の「WWDJAPAN」を買って読んでくれたそうで、話が盛り上がりました。
アンティークルーズ(ANTIQUERUISE)は、名古屋にラブベガス(LOVEVEGAS)とカーニバル(CARNIVAL)、東京でベランダ アオヤマ(verandaf aoyama)でビンテージを販売しています。出店では、古着をメーンに雑貨も取りそろえます。雑貨に紛れていて存在感を放っていたのはトーテムポール。エリアマネージャーの岩井俊之さんはトーテムポールが大好きで、自身も趣味で作るのだそう。ターコイズやシルバーのアクセサリーも充実していました。
全国の人やものとの思いがけぬ出会いがある京都蚤の市。旅行の期間とタイミングが被ればかなりラッキー。足を運んでみては。