2019年に韓国で誕生したプレミアムスキンケアブランド「クオカ(KUOCA)」が今秋、日本に上陸した。イタリア語で“高級レストランのシェフ”を意味する「Cuoca」からインスピレーションを得ており、肌を刺激する3大物質(化学防腐剤、人工色素、人工香料)とシリコンオイルを100%排除し、肌に無害な天然原料の中から優れた効能を持つ高品質な原料を選別。有効成分を肌に最大限に届けるため、独自配合技術である高保湿抗酸化複合体を開発した。
「クオカ」は“ファームトゥテーブル(Farm to table、2010年代に米国西海岸から広まった食に対する考え方)”や“ファインダイニング(富裕層向けの高級レストラン)”から着想。低刺激な有効成分が新鮮な状態で最も優れた効果を発揮する点に着目し、商品を製造後30日以内に消費者の手に届ける販売システムを取っている。それを実現するために、需要に応じた生産量を予測し製造を行っている。日本では、ギフト需要の高いハンドクリームをはじめとするボディーケアライン“エピキュアブレンド”の販売からスタートした。香りはダークティー、ローズケーキ、ワイルドピーチの3種を展開。日本の輸入販売代理店であるインテルコスメシ・ジャパンが運営する「クオカ」日本公式オンラインストアと、ナチュラル&クリーンビューティのセレクトショップ「ムードオアネイチャー(MOOD OR NATURE)」の実店舗で取り扱う。「クオカ」のキム・ジス共同創設者とユ・ベンジャミン共同創設者、豆田健司インテルコスメシ・ジャパン代表取締役に話を聞いた。
韓国でのリピート率は約40%を誇る
WWD:「食」をテーマにスキンケアブランドを立ち上げた経緯は?
キム・ジス「クオカ」共同創設者(以下、キム):親戚が趣味で化粧品を作っていて、原料にお金を掛けて良い素材だけで作ったら肌に良い影響しかないことに気づいて「クオカ」を立ち上げた。製造工程は家庭で料理を作るのに似ていて、自社の製造室で貴重な原料を使い少量生産で繊細なモノづくりをすることからスタートした。
WWD:韓国ではどこで販売している?
キム: 美食家のように目の肥えた感度の高いお客さまを想定しており、江南区の百貨店からスタート。現在は直営店1店舗で販売するほか、4大百貨店、アパレルのセレクトショップ、ラグジュアリーホテルや高級レストランでも導入してもらっている。韓国では年間に約2000ものビューティブランドが誕生する競争の激しい市場で、消費者のリピート率は2%程度と言われている。そんな中、「クオカ」は40%近いリピート率がある。マーケティングやプロモーションではなく、成分や製造にフォーカスしていることが支持されている。
日本の次は香港に進出
WWD:韓国以外で進出している国は?
ユ・ベンジャミン「クオカ」共同創設者:日本が2カ国目で、12月初旬に香港の百貨店レーンクロフォード(LANE CRAWFORD)でも取り扱いがスタートする。アメリカやヨーロッパへの展開も計画している。
WWD:日本の輸入販売元との出合いは?
豆田健司インテルコスメシ・ジャパン代表取締役(以下、豆田):当社は事業の柱の1つとして、クリーンビューティを中心とした韓国コスメの輸入販売や百貨店での直営店展開を行っており、一過性の韓国コスメではなくグローバルブランドとして一緒に育てていけるブランドを探していた。「クオカ」は韓国の本当に目の肥えたお客さまから品質を評価されている点に魅力があった。グローバルブランドとして長期にわたり共に育成する。
WWD:韓国での主力商品は、ホワイトトリュフをキー成分としたスキンケアシリーズだが、日本での展開予定は?
豆田: 製造から30日以内に販売というところにはこだわりたいが、輸送時間を考えると販売期間が2週間程度とかなり短くなってしまう。そのため、リピートを前提とした受注生産・定期販売のスキームを考えている。来年の早い段階から直営店でテスト販売をスタートしたい。ゆくゆくは、日本でライセンス生産ができたらいい。