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連載 齊藤孝浩の業界のミカタ

ラグジュアリーのリレーユースを促進するコメ兵のビジネスモデルのキモ【齊藤孝浩のファッション業界のミカタvol.56】

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企業が期ごとに発表する決算書には、その企業を知る上で重要な数字やメッセージが記されている。企業分析を続けるプロは、どこに目を付け、そこから何を読み取るのか。この連載では「ユニクロ対ZARA」「アパレル・サバイバル」「図解 アパレルゲームチャンジャー」の著者でもある齊藤孝浩ディマンドワークス代表が、企業の決算書やリポートなどを読む際にどこに注目し、どう解釈するかを明かしていく。今回はコメ兵ホールディングスの二次流通のビジネスモデルを解説する。

今回はコメ兵ホールディングスの財務諸表から、その儲けの仕組みを読み解きます。初めてきちんと読んだのですが、とても面白いビジネスモデルだと思いました。

まず、2023年3月期の連結売上高は前期比21%増の861億円です。24年3月期は1000億円の計画で、規模を着々と拡大しています。売上高の94%はブランドファッション事業で、タイヤホイール事業が6%、ごく一部不動産事業を行っています。ブランドファッション事業の73%が「コメ兵」、16%が以前買収した「ブランドオフ」、11%が他グループ会社という内訳です。

コメ兵HD 事業別売上高と営業利益率の推移

23年3月期に初めて出された決算補足説明資料により、同社のビジネスモデルがよく理解できるようになりました。「リレーユースを思想から文化にする」というのが、彼らのビジョンです。それにあわせて、まず、どれだけのリユース取引に関わったかを表すGMV(流通総額)が23年3月期で約1110億円。コロナ前の19年3月期から前期までの4年間で1.7倍に増えました。

売り上げの6割が法人向け

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