連載 エディターズレター:FROM OUR INDUSTRY 第78回

「全く違う肌実感の化粧品」、今は医療機関とのタッグで


ちょうど2年前でしょうか?年始に発行するCEO特集の取材の中で、アルビオンの小林章一社長が、「愚直に失敗を重ねれば、全く違う肌実感の化粧品さえ生まれる」とおっしゃったことは、今も強い記憶に残っています。

サイエンスの進化は目覚ましく、今はプチプラブランドさえ、それなりの効果実感、つまり肌実感を覚える化粧品を有しています。けれど小林社長がおっしゃる通り、この2年でさえ、「全く違う肌実感の化粧品」がいくつか誕生したり、その片鱗を見せたりしています。レチノール入りの化粧品、マイクロニードル配合の化粧品、リキッドファンデ級の艶感を放つクッションファンデーション、メイクでありケア用品としても使えるリッププランパーなどは、「全く違う肌実感の化粧品」の代表です。

巷では美容医療が市民権を得る方になって、スキンケアに同じような効果効能を求める傾向が強まったり、美容医療で得た効果実感をスキンケアで維持するという考え方が広まったりしています。そう考えると、美容医療はスキンケア化粧品の前に立ちはだかった、強大なライバルなのでしょうか?

なんて思っていたら、美容医療はスキンケア化粧品の良きパートナーになり得るようです。今年はロート製薬が医療機関専売ラインを持つ新ブランドを発売。美容医療についての知見も持つだろう医師の診断が必要なほど有効成分を高配合した化粧品によって、コスメティックとメディカルを融合させた“機能性化粧品(コスメシューティカル)”を打ち出しました。

これに続いたように思えるのは、ポーラ。8月に設立した、診断をサポートするツールや教育、経営ノウハウの提供など、美容医療現場に必要なものを提供する子会社から、やはり医療機関専売ブランドを発売します。こちらも有効成分の配合を謳う製品です。

アルビオンの小林社長が話す、「全く違う肌実感の化粧品」、今は美容医療を含む医療機関との協業から生まれるケースが多いのかな?そんな風に捉えています。

FROM OUR INDUSTRY:ファッションとビューティ、関連する業界の注目トピックスをお届けする総合・包括的ニュースレターです。「WWDJAPAN Digital」が配信する記事から、特にプロが読むべき、最新ニュースや示唆に富むコラムなどをご紹介します。

エディターズレターとは?
「WWDJAPAN」の編集者から、パーソナルなメッセージをあなたのメールボックスにダイレクトにお届けするメールマガジン。ファッションやビューティのみならず、テクノロジーやビジネス、グローバル、ダイバーシティなど、みなさまの興味に合わせて、現在8種類のテーマをお選びいただけます。届いたメールには直接返信をすることもできます。

関連タグの最新記事

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

メンズ32ブランドの猛暑に負けない推しスタイル 2025年春夏メンズ・リアルトレンド

「WWDJAPAN」12月16日号は、2025年春夏シーズンのメンズ・リアルトレンドを特集します。近年は異常な暑さが続いており、今年の夏は観測史上最も暑い夏になりました。ファッション界への影響も大きく、春夏シーズンはいかに清涼感のあるスタイルを提案するかが大切になります。そこで、セレクト各社やアパレルメーカーの展示会取材、アンケートを通して全32ブランドの推しのスタイルを調査し、メンズのリアルな傾…

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

@icloud.com/@me.com/@mac.com 以外のアドレスでご登録ください。 ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。 This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

メルマガ会員の登録が完了しました。