ファレル・ウィリアムス(Pharrell Williams)は、ラッパーのスウェイ・リー(Swae Lee)とラウ・アレハンドロ(Rauw Alejandro)とのコラボレーション曲“Airplane Tickets”をリリースした。同曲は「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」が香港で11月30日に開催した、2024年メンズ・プレ・フォール・コレクションのランウエイショーで初披露していた。
ファレルの公式ユーチューブチャンネルなどで公開したミュージックビデオでは、ファレルとリー、アレハンドロの3人が香港の各所でパフォーマンスする姿が見られる。中には、ショーを鑑賞する「ルイ・ヴィトン」アンバサダーのアイドルグループ、時代少年団(Teens in Times、TNT)の横でリーがカメラに向かって歌う様子もあり、ショー最中や前後に撮影したであろうカットをつなぎ合わせた映像が続く。
「ルイ・ヴィトン」はこれまでも、“カルチュラル・メゾン”としてコレクションと現代カルチャーを融合し、メンズでは特に音楽を絡めた発信を進化させてきた。キム・ジョーンズ(Kim Jones)がメンズ アーティスティック・ディレクター時代の18年春夏コレクションのショーでは歌手ドレイク(Drake)の新曲“Signs”をサプライズ披露したり、23年春夏のショーでは客席のケンドリック・ラマー(Kendrick Lamar)が急きょパフォーマンスを始め、新曲に故ヴァージル・アブロー(Virgil Abloh)に捧げるフレーズを盛り込んだりしてきた。ファレルのメンズ・クリエイティブ・ディレクター初陣となった24年春夏シーズンでも、ゴスペルグループのヴォイシズ・オブ・ファイア(Voices of Fire)とファレルのコラボ楽曲“Joy (Unspeakable)”をショーに合わせてリリースした。
今回の“Airplane Tickets”は発信方法をさらに立体化させたもので、メンズ・クリエイティブ・ディレクター本人が手掛けた楽曲を、ショー最中にパフォーマンスする映像を使いながら、約1週間というスピード感で編集しMVに使うという試みである。クリエイションとポップカルチャー双方の発信力をより密接に結び付け、多額の資金を投じた異国でのファッションショーの発信力の最大化を図った、ファレルだからこそできる一大プロモーションといえるだろう。同曲のMVは公開から2日間で再生回数50万回を超えている。