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マザーハウス、バングラ工場長・マムン氏を取締役に抜擢

バッグやアパレル、ジュエリーなどを製造・販売するマザーハウス(東京、山口絵理子社長)は、バングラデシュで自社運営するバッグ工場の長であるムハンマド・アブドゥル・アル・マムン(Mohammad Abdullah Al Mamun)氏が取締役に就任する人事を発表した。マムン取締役はバングラデシュの首都ダッカ出身で1981年生まれ。日本のファッション企業がアジアの工場で現地採用したスタッフを本社の取締役に抜擢することは珍しい。2006年の創業以来「途上国から世界に通用するブランドを作る」ことを理念に掲げる同社らしい人事といえる。

マムン取締役はダッカ大学で皮革工学を専攻。バングラデシュ国内の大手バッグ工場に勤務したのち、山口社長と出会い、08年にマザーハウスに入社した。同年、従業員4人でダッカに設立したマザーハウスの自社工場「マトリゴール」で山口社長と苦楽を共にしてきた。現在は330人が働く規模まで発展させた実績を買われた。

山口代表は「100%、マムンの実績と貢献の結果だ。300人を超えるスタッフをコロナ禍でもけん引し、新規開発を止めず、品質面でも改善を続け、財務的にも優秀な工場経営をしてくれた。生産地から始まったブランドである私たちに、生産地のリーダーがボードメンバー(取締役)として入ることの意義、それが途上国における一つの夢になると信じている」と抜擢の理由を話す。

マムン取締役は就任にあたり「職人として入社して技術を磨き、工場長としては常に商品開発と生産について考えてきた。経営者としてビジネスサイドにジョインすることは、楽しみでもあり、さらに自己研鑽していきたい」とコメントしている。

マザーハウスはバングラデシュ、ネパール、インドネシア、スリランカ、インド、ミャンマーの6カ国に製造拠点を持つ。売上高は公表していないものの、販売拠点として国内42店舗、台湾5店舗、シンガポール2店舗の直営店を運営している。

マムン氏の登用によって、同社の役員は代表取締役の山口氏、代表取締役副社長の山崎大祐氏、取締役の王宏平氏、社外取締役の遠藤功氏の5人になる。

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