資生堂は、水や汗に触れると撥水性と紫外線防御効果が高まる日焼け止めの新技術「ウェットフォース」を開発した。来春発売の製品への応用を予定している。
従来の日焼け止めには、水や汗に触れると膜が一部失われ、膜の均一性がなくなることで紫外線防御効果が低下するという課題があった。このたび開発した「ウェット フォース」では、汗や水に含まれるカルシウムイオンやマグネシウムイオン等のミネラルに着目。核となる成分「イオニックミネラルセンサー」が、水分内のミネラルと引き合い、結合する
ことで、均一で撥水性の高い膜を形成。実験の結果、「ウェット フォース」技術を搭載した日焼け止めは、水に触れた後に紫外線防御効果が20%アップするという。専用クレンジングは不要で、使用感も心地よさを維持しているという。
同技術を開発した八巻悟史・化粧品開発センサーサンケア製品開発グループは、南アジアの女性の肌調査を経て、高温多湿の環境下でも落ちない耐水性を持つ日焼け止めを作りたいとの思いから開発に着手した。ヘアケア製品の開発経験から、スタイリング剤に使われていた洗い流しにくい成分に着想を得て、原形となる技術を開発。社内のアイデア製品コンテストの最優秀賞受賞を経て、製品化に至った。