繊維大手レンチング・グループ(LENZING GROUP)は、レザーの代替素材を専門とするパリの素材メーカー、リサイクレザー(RECYC LEATHER)社と共同で環境負荷を低減させた新たなフットウエア素材「ペリノバ(PELINOVA)」を開発した。コペンハーゲン発のファッションブランド「ガニー(GANNI)」がパートナー企業として、今年発売予定のスラウチーブーツで初めて採用する。
「ペリノバ」はレンチング・グループの木材由来素材「テンセルリヨセル」繊維と、製造工程で発生したプレコンシューマーのリサイクルレザーを組み合わせた。しなやかで柔軟性と耐久性に優れ、従来の方法よりも70%の節水と、CO2排出量の削減を実現した。「ぺリノバ」は今後、ホームテキスタイルや家具、自動車、インテリア、ラグジュアリー分野など、さまざまな分野での活用を視野に追求していくという。
Bコープ認証企業のガニーは、2027年までに炭素排出量の50%削減を目指す。23年には、バージンレザーの使用を段階的に廃止する目標を達成した。ローレン・バートリー(Lauren Bartley)=ガニー・チーフサスナビリティ最高責任者は、「今年はウェアもアクセサリーも共にバージンレザーを生産しない初めての年だ。とはいえ、この取り組みはここで終わるわけではない。レンチングやリサイクレザーのようなパートナーと協力し、ファブリックの新たな革新を試みることは当社が掲げている意欲的な炭素削減目標を達成するために不可欠だ」とコメントした。今後はフットウエアのほか、アクサセリーカテゴリーでも「ペリノバ」と「テンセルリヨセル」の採用を検討している。
また2月6〜8日にフランス・パリで開催予定のテキスタイル見本市「プルミエール・ヴィジョン・パリ」では3社合同でパネルディスカッションを行い、同コラボレーションについて話す予定だ。