ビジネス
連載 エディターズレター:FROM OUR INDUSTRY 第91回

簡潔で強いこそ「丁寧」

有料会員限定記事
最近、新聞記者出身の自分と、そうじゃない方々の“違い”を感じる機会が増えています。

「WWDJAPAN」には、編集統括の向、副編集長の五十君と牧田、デスクの林、そして記者の横山や本橋ら、一般紙や業界紙出身の記者が大勢います。そんな彼らは共感してくれると思うのですが(多分w)、新聞記者の「1文字でも、削れる言葉は削る」という思いは、もしかしたら普通ではないのかもしれません。

例えば、社会部の事件記者時代は「●●容疑者、再逮捕へ」なんてタイトルが付せられるだろう記事を送ろうものなら、部長やデスクから「『へ』は取れないワケ?」なんていう電話がかかってきました。新聞記者として、「●●容疑者、再逮捕」と断定できるくらい取材していないのではないか?だったらもっと取材して、「へ」を取るべきではないのか?という指導です。めんどくさい先輩と思われているかもしれませんが、ゆえに私は今も、「売却へ」「退任か」などの記事には敏感です。「へ」や「か」は取れないものか?と考えます。一方で特にXなどのSNSに触れていると、世間はこうした断定や言い切りに敏感です。新聞社の記事や、新聞記者のツイートが炎上したり、炎上しかかったりの場面を目にすると、感覚の違いを覚えます。でも、我々は断定できるほど取材を重ねるべきだし、ある程度強く言い切れるほどの知識を蓄えている自負があります。そんな時は、たとえ少し厳しく聞こえても、私は強く主張したい。強く主張できることも含めての媒体価値と考えています。

紙版を定期購読中の方も閲覧することができます。
定期購読についてはこちらからご確認ください。
最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

リーダーたちに聞く「最強のファッション ✕ DX」

「WWDJAPAN」11月18日号の特集は、毎年恒例の「DX特集」です。今回はDXの先進企業&キーパーソンたちに「リテール」「サプライチェーン」「AI」そして「中国」の4つのテーマで迫ります。「シーイン」「TEMU」などメガ越境EC企業の台頭する一方、1992年には世界一だった日本企業の競争力は直近では38位にまで後退。その理由は生産性の低さです。DXは多くの日本企業の経営者にとって待ったなしの課…

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

@icloud.com/@me.com/@mac.com 以外のアドレスでご登録ください。 ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。 This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

メルマガ会員の登録が完了しました。