「ユニクロ(UNIQLO)」は2024年春夏、ジーンズと“エアリズムコットンオーバーサイズTシャツ”をグローバルキャンペーンで打ち出す。各国共通素材でテレビCMなどを行い、それ以外にもパラシュートパンツ、“感動パンツ”、ブラトップ、“エアリズム”のインナー、Tシャツブランドの「UT」で順次大型キャンペーンを実施。「過去に例のない規模でのキャンペーンとなり、ユニクロがコンセプトとする“LifeWear”や今春夏掲げている“Lightness”(=軽さ)を発信する」と、マーケティング領域を担当する遠藤真廣ファーストリテイリンググループ執行役員。
2月9日の春物の本格立ち上げに合わせて、7日に社外のギャラリースペースで、モデルによるパフォーマンスなども組み込んだ大掛かりな展示会を行った。従来、春夏物の展示会は12月上旬に行ってきたが、今回は実際の店頭投入タイミングに引きつけての開催。社外スペースを借りての大型展示会自体、かなり久々だ。「(従来の展示会スケジュールでは)情報が出てもお客さまはすぐに商品を買うことができず、ストレスになっていた。お客さまが本当に必要とする情報を必要なときに発信」し、話題性につなげるのが狙い。メディア関係者に加えてインフルエンサーも多数招待し、情報発信に一層力を入れている。
24年春夏は「値上げはなし」
キャンペーンは「立ち上げ時期の商品政策の要」と位置付けるボトムスから開始する。2月12日にパラシュートパンツ(3990円)をテレビCMで打ち出し、3月中旬にジーンズ(ウィメンズのドレープデニムタックパンツ3990円など計3型)でグローバルキャンペーンを開始、同じく中旬から“感動パンツ”(3990円)でテレビCMを放映する。トップスでは、“エアリズム”インナー(1290円など)を3月下旬から、ブラトップを同下旬から打ち出し、“エアリズムコットンオーバーサイズTシャツ”(1500円)のグローバルキャンペーンは4月中旬を予定。「UT」は国内は5月の大型連休や夏休みに打ち出す。
ユニクロの23年9月〜24年1月の既存店売上高は、前年同期比4.4%減に沈んでいる。厚手のコートなどを多数そろえ、商品構成が暖冬に合っていなかったという面が大きいが、「(不安定な気候が今後も続くと予想される中では)商品構成もマーケティングもどちらも変えていくべき」と遠藤執行役員。例えば“エアリズム”インナーは、「夏の肌着」という訴求ではなく、「寒暖差の激しい気温の中で快適に過ごすための肌着」といったメッセージに変えて、夏だけでなく春〜秋の季節の変わり目を快適に過ごすためのアイテムとしてアピールしていく。他にも、ジーンズは肌触りの柔らかさやライトなタッチ、トラウザーのように見えるシルエットを打ち出し、重い、硬い、真夏には暑いといったイメージを覆す。
22年秋冬以降、シーズン毎に一部商品で値上げを行ってきた。今春夏は“エアリズム”のベーシック肌着を300円値上げして1290円としたことなど以外は、「基本的に値上げは行わない」という。