PROFILE: 杉浦泰司/インフィニティ・コーポレーション代表
石川/detail/APPLICATION
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セレクトショップ「ディテール」は、「ヴェトモン(VETEMENTS)」や「セントマイケル(©SAINT MXXXXXX)」「リック・オウエンス(RICK OWENS)」などのラグジュアリー・ブランドを中心に販売している。同店を運営するインフィニティ・コーポレーション(以下、インフィニティ)は22年、同じ通りに2店舗目「アプリケーション」を出店。スケートボードのセクションを設置した同店では、「メゾン ミハラヤスヒロ(MAISON MIHARA YASUHIRO)」「ケンゾー パリ(KENZO PARIS)」「ディーゼル(DIESEL)」など、より若い層にもアピールするブランドをそろえる。2店舗とも、地方都市とは思えないスケール感と内装のショップだ。杉浦泰司インフィニティ代表は、「『ディテール』はスペースシップ、『アプリケーション』は米ロサンゼルスの公園をイメージした」と語る。「ディテール」は、海外のラグジュアリーブランド中心にVIP顧客を数多く抱える店舗。一方で「アプリケーション」は、10代でもショッピングできる、より幅広い層にアピールする店だ。「地元ファーストで、金沢のファッションレベルを上げるのが目的だ」と杉浦代表。(この記事は「WWDJAPAN」2024年2月12日号からの抜粋です)
地元ファーストで金沢を盛り上げろ
たたき上げオーナーが築いたVIPセレクト
大阪出身の同代表が「ディテール」に出合ったきっかけは18歳のとき、雑誌で見た石川県・加賀市のセレクトショップ「エスカーブ スタジオ」。「ここで商売を学びたい」と飛び込み、販売員として働きはじめた。同セレクトショップのオーナーが金沢市で運営していたのが「ディテール」だった。「エスカーブ スタジオ」で販売員として実力をつけた杉浦代表は、27歳で独立するために大阪へ帰る決心をする。そこで、オーナーから継いでほしいと任されたのが「ディテール」だ。同店が扱うブランドは国内中心で売り上げが振るわず、引き継いだ時点で全てラグジュアリー・ブランドへ入れ替えた。ブランドが変われば顧客も変わる。ラグジュアリーへ転換した初年度は売上高が約2割減少。また、当時の金沢では、「ジャージーパンツに5万円も払うわけがない」というのが当たり前の感覚だった。しかし杉浦代表は、「ラグジュアリー・ストリートがトレンドになるはず」と仏パリで強く感じ、それらブランドに働きかけると同時にVIP顧客を見いだす鋭い嗅覚により、着実に顧客を増やしていった。そして、「ディテール」は金沢で知る人ぞ知るセレクトショップになった。
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