ファッション
連載 エディターズレター:IN FASHION 第36回

「工場や職人の名前は公表しない」は過去の話になりつつある パート2

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「この服はどこの職人、工場が作っているのか?を明らかにするのはタブーという業界慣習が変わりつつある」と言うことを以前もこちらのレターで書きましたが、先週伺った福岡ニットの展示会で体感、確信しましたので続編です。展示会場には手編みや家庭用編み機を用いたニットの編み地サンプルがずらり。その技と発想が素晴らしい。

デザイナーズブランドの多くが採用する福岡ニット

福岡ニットは日本のデザイナーズブランドのニットを多く手がけています。「日本のデザイナーズブランド」と聞いて皆さんが頭に浮かべたブランドの多くが同社に発注していると言っても過言ではありません。結果、私のクローゼットにはおそらく、福岡ニットが関わったニット製品がおそらく20着くらいあります。袖を通さなくなっても手放せず、衣替えのたびに出しては眺めて撫でてはまたしまう、を繰り返しています。

展示会でサンプルを触る中で「この感じ、知っている」と直感しました。今年の冬も繰り返し着たあのセーターや、撫でてはまた片付けるあのセーターたちの手触りを思い出したからだと思います。手放せない理由をこれまでは、「好きなファッションデザイナーたちの仕事だから」と思っていたのですが、「その上、この職人仕事があったからか」と気がついたのでした。もちろん、デザイナーの感性があってこそ、その手作業も生きてくるわけですが、まさに一蓮托生です。

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