訪日旅行客のデスティネーションストアになっているのが渋谷パルコだ。平日休日、天候を問わず多数の訪日旅行客が6階の「ニンテンドートウキョウ」や「ポケモンセンター シブヤ」などを目当てに訪れ、下層階でも買い物を楽しんでいる。引き続き高い成長率を維持し、24年2月期の売上高が300億円を優に超えた同館について、塩山将人店長(3月1日付で大丸松坂屋執行役員大丸札幌店長)に聞いた。(この記事は「WWDJAPAN」2024年2月26日号会員限定特別付録「ビジネスリポート 2023年下半期」からの抜粋です。この記事は無料会員登録で最後まで読めます。会員でない方は下の「0円」のボタンを押してください)
WWD:2023年下半期の商況は?
塩山将人渋谷パルコ店長(以下、塩山):売上高は前年同期比55%増、入館者数、客数共に同44%増だった。22年12月に過去最高月商をマークしたが、23年10月にそれをさらに更新して、11、12月と更新し続けている。11月に開業50周年記念イベントを行ったが、記録的だった前年のリニューアル3周年よりも期間売り上げが1.5倍に伸びた。入館客数も30%増と大盛況だった。
WWD:それはすごい。
塩山:まず海外発行カードと一部対応の海外QR決済を足した想定インバウンド売上高が全体の30%を維持している。3〜12月の売上高累計は前年に対して5倍に伸びた。日本政府観光局によると11月の月間訪日外客は240万人だが、その4人に1人が来館している計算になる。内訳は中国37%、台湾17%、韓国と欧米が12%、東南アジアが14%となっている。「ニンテンドートウキョウ」をはじめ、6階のカルチャーショップを目指して来館し、お土産用にまとめ買いをして、下層階でファッションやビューティも買っていく。「ポーターエクスチェンジ」や「ヴィヴィアン・ウエストウッド アクセサリー」が人気を集める。中国人のオフィシャルライバーがカバーするフロアも2階のモード系から他のフロアへと広げており、呼び水になっている。それらが売り上げを底支えしている。
加えて、「ジル サンダー(JIL SANDER)」や「バーバリー(BURBERRY)」導入などのリニューアル効果も大きい。改装した部分の売上高は前年に対して倍に伸びている。渋谷西武から撤退するブランドは今度さらに伸びると思われる。2階の「イッセイ ミヤケ(ISSEY MIYAKE)」は“買いたくても買えない”欲求をかき立てるのがうまく、継続して力強いし、「アンダーカバー(UNDERCOVER)」や「ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)」も好調だ。
定期購読についてはこちらからご確認ください。
購⼊済みの⽅、有料会員(定期購読者)の⽅は、ログインしてください。