旅行や外食の代替として、コロナ禍中に急伸した百貨店の特選ブランドや宝飾品といった高額品の売り上げ。 コロナが落ち着き、各ブランドが度重なる値上げを行う中で、国内の中間層ではやや消費の勢いが落ちて“正常化”してきた。 地方百貨店では「客数は前年割れだが、値上げによって売り上げを保っている」といった声が広がっている。 一方で、円安を背景に訪日外国人客は爆増しており、都心や観光立地の百貨店の伸びは引き続き著しい。 米中で景気後退の不安もチラつくが、今後も訪日客増はしばらく続きそうだ。(この記事は「WWDJAPAN」2024年2月26日号会員限定特別付録「ビジネスリポート 2023年下半期」からの抜粋です)
「WWDJAPAN」は2023年下半期(7〜12月)も、全国の百貨店(特選27店、宝飾21店)に高額品の売り上げ伸長率についてアンケート調査や個別取材を行った。特選カテゴリーはコロナ禍中に大幅伸長を続けてきたことで、コロナ禍前と比較すると売り上げが60〜70%増となっているケースが少なくない。新宿や銀座、大阪、京都、福岡といった訪日客の多い立地の百貨店は、23年下半期も前年同期比30〜60%増と大幅に伸ばしているが、地方店では伸び率は10%未満という声も出ている。前年実績を超えており悪くはないが、各ブランドが軒並み値上げをしている影響を差し引くと、買い上げ数は割り込んでいるか、前年トントンということになる。
国内中間層は“値上げ疲れ”
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