米化粧品大手のコティ(COTY)はこのほど、「エトロ(ETRO)」のフレグランスおよびホームフレグランス製品の製造・販売に関するライセンス契約を締結した。同契約は、今月初めにコティが発表した「マルニ(MARNI)」とのライセンス契約に続き、2040年以降も継続する長期契約となる。「エトロ」がビューティライセンス契約を結ぶのは初めて。
コティのスー・Y・ナビ(Sue Y. Nabi)最高経営責任者(CEO)は、「『エトロ』は長年にわたる卓越性、伝統を誇る象徴的なブランドであり、それがビジネスのあらゆる面に反映されている。このコラボレーションにより、ブランドの既存のビューティ製品を発展させ、新しいカテゴリーを通してユニークなブランドアイデンティティーに命を吹き込むことに興奮している。この契約は、当社がファッションブランドのライセンスに重点を置いていることをさらに強調するものだ」と述べた。
「エトロ」のファブリツィオ・カルディナリ(Fabrizio Cardinali)最高経営責任者(CEO)は今回の提携について、「当社のビューティポートフォリオを強化し続ける中で、新たな活力を与えるものになる。コティの専門知識と業界をリードする能力を活用し、ビューティ業界における『エトロ』の存在感を高める方法を模索したい。消費者の需要に応えるために当社の能力を強化できることを楽しみにしている」とコメント。同ライセンス契約には、これまで「エトロ」が自社で開発してきた代表的なフレグランス“シャンタン”“ペイズリー”の販売権も含む。
「エトロ」は、21年にLVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON)系の投資会社であるLキャタルトン(L CATTERTON)が過半数株式を取得。この1年は、アイウエアを手掛ける伊サフィロ グループ(SAFILO GROUP)や子ども服メーカーのシモネッタ(SIMONETTA)ともライセンス契約を締結し製品ラインアップの開発を強化してきた。
コティは現在、プレステージカテゴリーにおいて「グッチ(GUCCI)」「カルバン・クライン(CALVIN KLEIN)」「マーク ジェイコブス(MARC JACOBS)」「クロエ(CHLOE)」「ダビドフ(DAVIDOFF)」「ティファニー(TIFFANY & CO.)」「ジュープ(JOOP)」「ジル サンダー(JIL SANDER)」「ロベルト カヴァリ(ROBERTO CAVALLI)」「エスカーダ(ESCADA)」などとライセンス契約を結んでいる。「ミュウミュウ(MIU MIU)」はこのほどロレアルグループ(L’OREAL GROUP)とビューティライセンス契約を締結したため、コティとのライセンス契約は更新されなかった。