ファッション
連載 WWDJAPANスタッフの2024年“初買い品” 第2回

偏愛強めの新卒コンビは“ウィノナ・ライダー”キャップやガゼット麗モデルのギターなど 「WWDJAPAN」新人の2024年“初買い”

連載「WWDJAPANスタッフの2024年“初買い品”」、第2回目は23年度新卒社員が登場。ソーシャルエディターの松村とマーケティング部の和田が、趣味全開の初買い品を紹介します。

ソーシャルエディター 松村の初買い品

1988年発刊の「i-D」マガジン

地元・大阪の古本屋で見つけたという1988年発刊の「i-D」マガジンは、“スーパーヒーローは死んで、今後は女のヒーローの時代だ”というコンセプトで組まれた特集です。さまざまなスーパーヒーローをモチーフに、イギリスのファッションブランドで組んだスタイリングなどを、ポップなグラフィカルデザインで紹介しています。当時は1.8ポンド(約340円)で売られていたものの、古本では8000円で購入したそうですが、「人気の号は、オークションで2万円を超える価格で取り引きされてんのを見たことある。昔の時代に戻れるタイムマシーンのような雑誌やから、こういったものにお金を払うことには全然抵抗ないねん」とのこと。私も2000年代前後のカルチャーが特に好きで、メルカリをはじめとする二次流通ショップのウォッチが習慣になっているため、彼の発言に共感します。

23年11月には、モデルで実業家のカーリー・クロス(Karlie Kloss)が「i-D」の買収を発表しました。出版業界でのリポジショニングに伴い、出版物とデジタルでのアウトプットを今後しばらくの間停止しています。ニュースレターとインスタグラムなどのSNSでは発信を続けており、今後の動向を見守りたいです。

70sのカーディガン

地元・大阪で古着屋巡りをしていた時に出会った1970年代のカーディガンは、新年のセール中にほぼ新品状態のものを4000円で購入。コレクションしているピンズでカスタマイズし、着こなしに個性をプラスします。普段から着ることの多い古着は、基本的には大阪で買うようにしているのだとか。その理由は、「だって、地元に貢献したいやん。あと、大阪の方が若干安いねん」と話します。ニッチなお店に詳しそうなので、「大阪の古着屋巡り」をいつかユーチューブの企画でやってもらいましょう。

「アイデア」のキャップ

俳優ウィノナ・ライダー(Winona Ryder)の名前が刺しゅうされたキャップは、ファッションエディター兼フォトグラファーのアンジェラ・ヒル(Angela Hill)と、映像・音楽アーティストのデイヴィッド・オーウェン(David Owen)らが設立したロンドンのブックストア「アイデア(IDEA)」の商品。ロンドン留学中の21年に店舗を訪れ、気に入るデザインがあれば購入しようと決めていたのだとか。

撮影日に着用していたTシャツにもライダーの写真がプリントされており、「大ファンやねん」と興奮します。ライダーの出演作の中でも、ジム・ジャームッシュ(Jim Jarmusch)監督の映画「ナイト・オン・ザ・プラネット」が一番好きで、自宅には大判ポスターからDVD、サウンドトラックCDまでそろっているそう。ジャンルは違えど、趣味の品で部屋を飾り付けているのは私も同じ。またもや「うんうん」と共感しました。

マーケティング部 和田の初買い品

ヴィジュアル系バンド・ガゼットのギター

1つ目に紹介するのは、the GazettE(ガゼット)というヴィジュアル系バンドでギタリストを務める麗(うるは)さんの、シグネチャーモデルのギター“EDWARDS E-U-HL2”です。ガゼット好きの店員がいることでも知られる、ESP直営店のBIGBOSSお茶の水駅前店にて12万円ほどで購入。社会人になって最初の一番大きな買い物が、まさかギターになるとは思ってもみませんでした。

ガゼットとの出会いは23年5月末頃。たまたま聞いた「Cassis」という曲に心を奪われ、1カ月間ほど、この曲だけを1日中リピートしていたことを覚えています。麗さんが弾くギターがカッコ良すぎて、「私もこんな風に弾いてみたい」と思い、父親のギターを借りて練習を始めました。今年はシグネチャーモデルを手に入れたので、練習も捗りそうです。特に、「Cassis」のサビ後半「明日あなたの気持ちが離れても〜きっと変わらず愛している」部分の、ディレイのエフェクトをかけた麗さんのピコピコギターが何とも独特な音色で、個人的な推しポイント。「Cassis」が弾けるようになったら「REGRET」や「未成年」「赤いワンピース」など、次に挑戦したい曲がたくさんあります。

大げさに聞こえるかもしれませんが、私は24年間生きてきて、麗さんのギター以上に心が震える音に出会ったことがありません。辛いことがあってもガゼットの音楽があれば救われる。今日もガゼットを聞いて、精一杯生きています。

「ケーシービー」のピアス

「ケーシービー(KCB)」は、高校生の頃から愛用している「シービー ジュエリー スタジオ(CB JEWELRY STUDIO)」の高橋侑花デザイナー兼クラフトマンが手掛けるブランド。耳たぶに沿うハートのデザインが特徴的で、好きな文字を刻印できるところに惹かれて購入しました。常にガゼットで頭がいっぱいの私は、一週間悩み倒した結果、おそらく去年2番目に一番多く聞いた曲「OMINOUS」の“TRUE DREAD”という歌詞を採用。もちろん一番多く聞いた曲はギターでも練習中の「Cassis」です。

「OMINOUS」は、動と静のコントラストが美しいバラード。暗闇の中で膝を抱えている私に手を差し伸べてくれるような、かと言って「大丈夫だよ」と安易に励ますのではなく、一緒に深いところで寄り添ってくれるような楽曲です。麗さんのギターソロから、ヴォーカリスト・RUKIさんが何度も繰り返しささやく「TRUE DREAD」の流れが大好きなんです。「Sleep…Count me down…Again」という歌詞で始まるので、子守唄としてもよく流しています。心の支えである歌詞を刻印したピアスは、商品が届いてから毎日お守りのように着けています。

シルバニアファミリー“赤ちゃんうきうきレインコート”

シルバニアファミリーの赤ちゃんを連れ歩いて写真を撮る、という遊びをここ一年ほどしています。季節の行事を楽しむようになり、出不精も少し改善しました。クリスマスにはイルミネーションへ連れて行き、バレンタインにはチョコレートを買ってきて自宅で撮影会。かわいい写真を撮るために奔走します。新入りちゃんは一見季節外れのレインコートセットですが、7匹の衣装が愛らしくて、きっと年中活躍してくれることでしょう。

23年2月には伊勢丹新宿本店で、シルバニアファミリー公式アンバサダーの作品を展示するポップアップがあり、私も訪問しました。展示のテーマは“春のお花”で、趣向を凝らした作品群に創作意欲が刺激されました。オリジナルの衣装を作るとしたら、ガゼットの衣装を着せたいな……と妄想が膨らみます。以前X(旧ツイッター)で、同バンドのベーシスト・REITAさんを模して、トレードーマークの“鼻布(はなふ)”とクロスのチャームを着けたシルバニアファミリーを見たことがあります。麗さんの衣装で印象的なのは、やはり「SILLY GOD DISCO」のPVの紫の衣装でしょうか。いつかオリジナル衣装を着せたシルバニアファミリーをライブ会場に連れて行きたいです。

次回予告

連載「WWDJAPANスタッフの2024年“初買い品”」、第3回目はビューティエディターの2人が登場します。日々ビューティブランドを取材するエディターらが注目する商品とは。

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