花王は、ヘアケアカテゴリーの新ブランド「メルト(MELT)」を今春スタートする。ドラッグストアやバラエティーショップで近年活況の“ハイプレミアム(1400円以上)”の市場に参入する。3月上旬から全国のロフトの店舗およびECで先行販売し、4月からマツモトキヨシグループ、ココカラファイングループの店舗などで発売する。
「メルト」のブランド名は、髪のダメージケアに特化し、「とろけるような」艶髪へ導くというコンセプトから。“モイストシャンプー”と“モイストトリートメント”(各480mL、各1760円※編集部調べ)は、共通成分としてラノリン脂肪酸とメルティセラミド(ビスメトキシプロピルアミドイソドコサン)を配合し、髪の表面と内側を同時に補修する。スペシャルケアとして使う“クリーミーフォーム”(1g×12包、2200円※同)はパウダーを水と混ぜると濃密な泡ができ、毛穴の汚れや皮脂まで浮き上がらせて落とすとともにトリートメントのなじみをよくする。アウトバス用の“モイストコンディショニングウォーター”(170mL、1430円※同)はとろっとしたテクスチャーでドライヤーの熱から髪を守り、寝ぐせや日中の浮き毛を防ぐ。
マスブランドも刷新
両輪で成長のドライブに
ヘアケア市場の価格別構成比において、ハイプレミアムゾーンの商品はすでに41%(SRI+調べ)を占める。一方、花王は展開ブランドのうち同ゾーンの商品は1%にとどまるなど出遅れていたが、「メルト」を皮切りに本腰を入れ、今秋に第2弾、来年に第3弾のブランドをローンチする。
合わせて、販売構成の7割を占める「メリット(MERIT)」「エッセンシャル(ESSENTIAL)」「セグレタ(SEGRETA)」といった主力のマスブランド(〜1400円)も、今春から秋にかけリブランディングを進める。ハイプレミアムゾーンの攻勢本格化とマスブランド強化を両輪で進め、ヘアケア(インバス商品)全体の売上高を、27年12月期に23年同期比43%増を目指す。