ファッション

「マーガレット・ハウエル」と「ミズノ」 協業拡大の背景に“共鳴”と “信頼”

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TSIの「マーガレット・ハウエル(MARGARET HOWELL)」は2024年春夏から「ミズノ(MIZUNO)」との協業を拡大する。アパレル類のラインアップを大幅拡充し、メンズ・ウィメンズ合わせて計20型程度にする。「マーガレット・ハウエル」と「ミズノ」の一部店舗で販売する。

ノーブルなムードと
テクニカルな素材の融合

コラボ商品は「マーガレット・ハウエル」のインライン商品よりもやや値ごろ。アパレル類はどれもはっ水や高ストレッチなどの機能を備えたテクニカルウエアで、ノーブルな雰囲気のインライン商品と合わせてギャップを楽しむ提案だ。「ミズノ」独自のレインウェア素材“ベルグテック(BERGTECH)”を使ったポンチョ(4万6200円)は、 袖口にはっ水糸を編み立てたリブを使用し、袖口が濡れる不快感を軽減。パッカブル仕様でバッグなどに入れて持ち運べる。

両者の協業は2017年秋冬にスタート。コラボ商品はシューズや雑貨などシーズンに数型程度だったが、顧客からコアな人気を博してきた。「デザイナーのマーガレット(・ハウエル)自身、デザイナーズブランドではなくクロージング(日常着)ブランドを作ろうという意識が強い。『ミズノ』のグローバルなスポーツブランドにはない、ジャパンブランドらしい職人気質な部分に共感していた」と山本真也事業部長は話す。

きっかけはTSIから本国への提案
「MHL.」に次ぐ柱へ

モノ作りの姿勢において共鳴しただけでなく、「マーガレット・ハウエル」の本国(英国)チームと「ミズノ」の間を橋渡しした、TSIの存在も大きい。協業拡大は、TSIのマーガレット・ハウエル事業部による起案がきっかけだったという。

かつて「マーガレット・ハウエル」を傘下に持つ旧アングローバルがTSIグループ入りしたのが2004年。以来、本国やデザイナーとの深い信頼関係を築いてきた。商品企画は「あくまでブランドらしさを大切にするため、本国の主導」ながら、TSIからのリクエストで日本向け商品が作られることも多い。「エドウイン(EDWIN)」や「ポーター(PORTER)」とのコラボ商品は、日本での販売が先行した後にグローバルで売られるようになった。ブランドの国別売上高は日本がトップだ。「ブランドの50年以上の歴史と世界観を大切にしながら、良好な関係を築けている」と手応えを話し、今回の協業を一つの集大成と位置付ける。

「ミズノ」との協業商品の売上高は、日本のブランドセールスの10%程度を目標に設定。派生ライン「MHL.」に次ぐ存在として育てていく意向だ。

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