県内外で定評のある“沖縄コスメブランド”を紹介する企画の第1弾。初回で取り上げるブランドは、県産素材を採用しているのはもちろんのこと、高品質なオーガニックコスメでもある「琉白(RUHAKU)」だ。ブランドについて今泉小百合「琉白」ブランドマネージャーに取材した。
――:「琉白」を開発したきっかけは、ブランド創業者のパートナーの肌荒れが原因だと聞きました。
今泉小百合「琉白」ブランドマネージャー(以下、今泉):おっしゃる通りで、創業者のパートナーがホルモンバラスの乱れなどから、ひどい肌荒れに悩んでいた時に、出張で訪れた沖縄の離島で、月桃畑を営んでいるご夫妻とたまたま出会いまして。その時に「肌荒れには月桃が効く」と、ご夫妻から手渡された月桃ローションを試したところ、肌荒れがみるみる回復したという出来事がありました。その肌効果に驚き、感銘を受けた創業者が、月桃を軸に据えたエイジングケアを開発することを決め、そして「琉白」が誕生しました。
――:沖縄では以前から月桃に抗菌効果があるとして、月桃の葉でお餅を包むなど活用されていますが、実際に科学的見地から肌荒れへの効果が実証されたそうですね。
今泉:はい。琉球大学農学部の多和田先生にご協力いただき、抗菌作用や抗酸化作用が確認できています。加えて、2022年には富山大学医学薬学研究部の久米先生との共同研究において、月桃に含まれている“カルダモニン”という成分に炎症因子の量を抑制する作用も認められました。
――:民間療法として活用されていた月桃がエビデンスで実証されたのは、月桃農家の人たちにとってもうれしいニュースになりますね。ところで、「琉白」に配合されている月桃は、どこで採取されているのですか?
今泉:本島から海中道路でつながっている浜比嘉島で採取しています。月桃は沖縄のあちこちで自生していますが、提携している月桃事業者「日本月桃」は2002年から有機JASを取得していることから、ブランド創業時からこちらの月桃を採用させていただいています。月桃は肌荒れ予防のほか、エイジングケアも期待できることから、「琉白」の全ての商品に配合しています。
――:月桃のほかにも県産素材をたくさん採用されていますよね。
今泉:はい。トーンアップや引き締め効果には、シークヮーサーのエキスを採用していまして、こちらは国頭村本部町にある「たからのやま農園」のシークヮーサーになります。柑橘類を安定的に育てるためには農薬を散布することが一般的ですが、こちらの農園も有機JAS認定を取得されているため、採用させていただきました。
また、化粧水やシートマスクの保湿成分として海ぶどうから抽出したエッセンスを配合しています。海ぶどうは恩納村漁業協同組合から仕入れていますが、こちらの組合は高品質な養殖もずくやアーサを確保するために、サンゴの植え付けなど、積極的にサンゴ礁保全活動にも取り組んでいらっしゃる組合です。
頭皮や髪の保湿のために採用しているのはハイビスカスローゼルで、こちらは南城市にある沖縄長正薬草本社から仕入れています。無農薬にこだわって薬草・ハーブを栽培している農産者で、ハイビスカスローゼルは発売したばかりの新作ヘアケアシリーズに配合しています。
これらの素材のほか、海洋深層水やクチャ、ノニ、タマヌオイルなど、県産原料を積極的に採用させていただいています。
――:沖縄の美容成分をギュッと濃縮したような商品ばかりですよね。それと同時に、「琉白」はオーガニックであることにも尽力していますよね。
今泉:はい。弊社は2008年に、工場としては日本で初めてオーガニック認証を取得しているため、月桃ローションもオーガニック認定を受けています。月桃農家からいただいた月桃ローションそのものをお客さまに届けたい、という創業者の思いから、月桃ローションはもちろん、ほかの商品も余計なものは入れないレシピになっています。
――:では、今後、ブランドとしてはどのような展開を考えていらっしゃいますか?
今泉:沖縄にはリゾートホテルが次々と誕生しておりますので、美しい沖縄の自然を守っていけるサステナブルなホテルのアメニティーとして存在感をアピールしていきたいと考えています。そして、沖縄で「琉白」を知っていただいたお客さまが、沖縄旅行からお戻りになった後も琉白をお使いになることで、沖縄の記憶を思い出しながら幸せな気持ちで日頃のお手入れを楽しんでいただけたら、とそう思っています。