「セリーヌ(CELINE)」は今秋、カラーコスメ事業に参入する。2024年ウィンター・コレクションのフィルム内で発表した。メゾン史上初となるメイクアップライン“セリーヌ ボーテ(CELINE BEAUTE)”の第一弾として、サテン調のリップスティック“ルージュ トリオンフ”を発売する。2025年1月には15色のリップスティックからなる“ル ルージュ セリーヌ コレクション”を発売する。日本でも今秋、メイクアップラインの販売を開始する予定。
2024年ウィンター・コレクションのフィルム「凱旋門コレクション(La Collection de L’art de Triomphe)」では、ブールデル美術館やサル・プレイエル・コンサートホールなどパリの洗練されたスポットを闊歩するモデルたちをフィーチャーした。その随所にリップスティックが登場する。
「セリーヌ」は、19年にエディ・スリマン(Hedi Slimane)=クリエイティブ・ディレクターにより50年以上ぶりとなるフレグランス“オート パフューマリー”コレクションを発表した。スリマン=クリエイティブ・ディレクターは昨年、メイクアップライン“セリーヌ ボーテ”を構想。今後、リップバームやマスカラ、アイライナー、アイペンシル、ルースパウダー、ネイルポリッシュなど新たな商品カテゴリーを毎シーズン発表する予定だ。
「セリーヌ」は声明で、「メイクアップラインの誕生はメゾンの文化的ルーツをより豊かにし、エディ・スリマンが過去5年間に『セリーヌ』の新しいコードの中で抽出したフランス的な女性らしさや魅力に対するアイデアを発展させるものだ」とコメントしている。
ヨーロッパのラグジュアリーグループは、ビューティ事業への進出を加速させている。ケリング(KERING)は昨年2月、ケリング ボーテ(KERING BEAUTE)設立によりビューティ事業を内製化すると発表。コンパニー フィナンシエール リシュモン(COMPAGNIE FINANCIERE RICHEMONT)も昨年後半、フレグランス事業の新部門ラボラトワール・ドゥ・オート・パルファムリー・エ・ボーテ(Laboratoire de Haute Parfumerie et Beaute)を設立した。
セリーヌの親会社であるLVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON)は昨年3月、数十年ぶりにグループの化粧品事業を束ねるトップとして香水&コスメティクス部門の会長兼最高経営責任者(CEO)にステファン・リンデルクネッシュ(Stephane Rinderknech)を指名した。同部門の23年12月期の売上高は前期比7.1%増の82億7000万ユーロ(約1兆3397億円)だった。