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「シーイン」台頭のヤング市場 ウィゴーは“リアルタイムファッション”で勝負

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園田恭輔/ウィゴー社長 プロフィール

1979年生まれ、大阪府出身。99年に販売員としてウィゴー入社。エリアマネージャー、物流、MDなど、さまざまな部署や事業部の立ち上げを経て、2011年に「ウィゴー」の事業部長に就任。18年より現職

ウィゴー(WEGO)は今年9月に創業30周年を迎える。節目の年に同社は新たな価格戦略「ウィーグットプライス(WE GOOD PRICE)」を掲げ、ロープライスで商品のクオリティーを追求すると公言した。2月に投入を始めた2024年春物から、新価格に変更済みだ。ヤングマーケットには激安の「シーイン(SHEIN)」が浸透し、戦い方の変更を余儀なくされている。新価格戦略の背景を園田恭輔社長に聞いた。

WWD:30周年を迎える今年、どんなビジネス戦略を掲げている?

園田恭輔ウィゴー社長(以下、園田):“リアルタイムファッション”の追求だ。従来のファストファッションは、コレクションの情報をいち早く安く商品化して市場に届けるビジネスモデルだったが、現代はそれでは遅く、とにかく“今起こっていること”に対応しないといけない。若い子たちの趣味嗜好は多様となり、変化がとても速くいわゆるマス層があるようでない。お客さまの周りで今どんなことが起こっていて、今どういうものを欲しがっているのかにすぐに対応して変わり続けることが、当社のような業態のポジションニングでは重要だ。

安さと速さと柔軟性がカギ

WWD:リアルタイムファッションを届けるための具体的な仕組みは?

園田:昨年立ち上げた(10代〜20歳前後の消費者のインサイトを分析する)「ウィーラボ(WE LABO)[ヒト・コト・モノ・バ]研究所」も一例だ。20年から推し活、サブカル地雷系、ダンスといったそれぞれの界隈に特化したSNSの運用を開始した。現在それぞれのアカウントを合算した総フォロワー数は40万人を超えた。既存の公式ブランドアカウントのフォロワーと合わせると90万以上になる。実際にその界隈を知る当社のスタッフがSNSを運営することで、密度の濃いコミュニケーションが取れている。フォロワー向けにアンケートを実施するなどして得た情報を商品化したり、店作りに反映したりするスキームができてきた。外部企業にデータ提供し、協業する事例も増えている。池袋に推し活に特化した店舗をオープンしたのも「ウィーラボ」の取り組みが土台だ。大人世代はコロナ以前の実店舗体験があるが、10代はそもそも買い物を始めたのがコロナ禍中で、実店舗が選択肢にない。オンラインでの買い物が当たり前の10代に来店動機を感じてもらうためには、モノを売るだけでなくあらゆる仕掛けが必要だ。

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