健康被害が拡大し続ける小林製薬の紅麹関連商品で、同社の紅麹原料を使った商品を販売する化粧品メーカーにも自主回収の動きが広がっている。小林製薬は、生産する紅麹を食品や飲料メーカーなど国内外の52社に供給していることを明らかにしているが卸先を公表していなく、メーカー側の自主的な発表が相次いでいる。
ノエビアは、“DHA&EPA”に小林製薬の紅麹を使用しておりこれまで健康被害の報告はないが、小林製薬から紅麹原料に関する使用中止と自主回収の要請を受け、該当商品を全て自主回収する。
シャンソン化粧品は、“特撰 十六酢”で使用する紅麹は小林製薬で健康被害が報告されている製造ロットの紅麹とは異なるが、小林製薬から仕入れた紅麹の原料を使った「賞味期限2024年4月24日以降」の商品の自主回収を行う。
DHCは、台湾で販売するサプリ“DHC CONCENTRATED BENI-KOJI”に小林製薬の紅麹を使用しており、対象商品の販売中止と自主回収を発表した。対象商品は、品質試験の問題においても問題は確認しておらず、これまでに重篤な腎疾患の報告も受けていないとしているが、対象商品を購入した消費者の不安解消のために考慮した。なお、日本で製造・販売する商品で使用する紅麹原料は小林製薬の紅麹ではないと報告しており、現時点(3月27日16時時点)では販売を継続している。
ファンケルは、高めのLDL(悪玉)コレステロールを下げるとしているサプリメント“コレステサポート”に含まれる紅麹は、「健康被害が報道されている小林製薬株式会社の紅麹原料は一切、使用しておりません」と自社のECサイトで伝えている。
サントリーウエルネスとロート製薬は、同社の商品に紅麹原料は使用していないと伝えている。
小林製薬は随時情報を開示しているが、一部報道によると紅麹原料の供給先は52社に上り、このうちの複数の卸売業者を通じてさらに別の企業に販売されているという。小林製薬が販売先など詳細を公表していないため消費者にも不安が広がっており、これらの影響はさらに拡大しそうだ。