スイスの時計ブランド「ヴァシュロン・コンスタンタン(VACHERON CONSTANTIN)」とニューヨークのメトロポリタン美術館は、2023年に締結したパートナーシップにもとづき、協業プログラム「あなたの腕に傑作を(Masterpiece on Your Wrist)」を発表した。
「あなたの腕に傑作を」は、「ヴァシュロン・コンスタンタン」が19年に立ち上げたプログラムで、世界の美術館のコレクションから顧客が作品を選び、それを特注品を担う“レ・キャビノティエ”が、エナメルの細密画で文字盤に再現したユニークピースウオッチを制作するもの。同ブランドは過去にパリのルーブル美術館とも同プログラムを実施しており、メトロポリタン美術館とのパートナーシップ締結によって同美術館のコレクションも作品の候補に加わることになった。今回は作例として、フィンセント・ファン・ゴッホ(Vincent Van Gogh)の「糸杉のある麦畑」、クロード・モネ(Claude Monet)の「睡蓮の池に架かる橋」、ウィンスロー・ホーマー(Winslow Homer)の「北東の風」などの絵画や、オーガストス セント・ゴーデンズ(Augustus Saint-Gaudens)の彫刻作品「ディアナ」などを文字盤上に描いたタイムピースを制作した。
顧客はタイムピースを特注するにあたり、学芸員が案内する美術館のプライベートツアーに参加して選ぶ作品についての助言を得られるほか、ジュネーブにあるメゾンの工房を見学して熟練の時計師や職人たちと直接顔を合わせることができる。
「ヴァシュロン・コンスタンタン」とメトロポリタン美術館とのパートナーシップは、知識と技術の保護と継承という共通の取り組みにもとづくもので、文化的遺産の意義を称えつつ、芸術的な革新をうながすことを目的としている。パートナーシップには、メゾンの理念とメトロポリタン美術館の運営趣旨に沿ったさまざまなコラボレーションが織り込まれ、具体的には国内外からアーティストを一定期間招へいして滞在中の活動を支援する事業や教育プログラム、今回の「あなたの腕に傑作を」のように、美術館の所蔵品からインスピレーションを得た「ヴァシュロン・コンスタンタン」の時計の制作などが含まれる。
メトロポリタン美術館のマックス・ホライン(Max Hollein)最高経営責任者(CEO)は、「『ヴァシュロン・コンスタンタン』とのパートナーシップを大変喜ばしく思う。同ブランドは、創造性を讃え、芸術の伝統を守る尊敬すべき時計メーカーであり、私たちのミッションを支援してくれることに感謝している」と語っている。