「H&M」は4月18日、JR原宿駅前の商業施設「ウィズ ハラジュク(WITH HARAJUKU)」に、ウィメンズ限定のH&M 原宿店をオープンした。「ファションギャラリー」をテーマにした新たなストアコンセプトを導入した。ベージュと白を基調とし間接照明を用いた落ち着いた空間演出で、ファッション感度の高い女性客に訴求する。1階、中1階、2階からなる3フロア構成で、売り場面積は約700平方メートル。
メディア向け内覧会でアネタ・ポクシンスカ(Aneta Pokucinska)H&Mジャパン社長は、「同店ではより質の高いカスタマーエクスペリエンスを提供したい」と強調した。特に重視したのは、「インスピレーションと利便性」。「居心地の良い空間でゆったりと時間を過ごし、店を後にするときにここに来てよかったと思ってもらうことがゴールだ」と説明した。
メインエントランスは「お客さまへのインビテーション」
駅前の通り沿いのメインエントランスは、高さ5メートルのスクリーンを設置し最新コレクションの世界観を感じてもらうプロモーションスペースとして活用する。オープン時は、韓国人デザイナーのロク・ファン(Rok Hwang)が手掛ける「ロク(ROKH)」とのコラボコレクションを展示する。ポクシンスカ社長は、「お客さまへのインビテーションとして機能することを期待したい」という。
中1階はアジア限定アイテムなどを中心にそろえる。メインフロアの2階は、新作コレクションのほか、原宿店限定展開となるよりファッション性を追求した「エディッションライン」を販売する。従来の店舗よりも商品を間引たり、レジ前の雑貨コーナーも整頓したりして、より見やすさにこだわった。また国内店舗では初めてセルフレジを3台導入し、利便性を高める。一方で販売スタッフの数は減らさず、より丁寧な接客につなげる狙い。フィッティングルームは5つ用意し、広々としたスペースと木目調のデザインで高級感を演出する。また同フロアにはソファー席とテーブルを配置したテラスもある。ファッション雑誌やアート本を並べ、来店客の休憩スペースに活用してもらう。
オープンから21日までの期間店内では、特別にDJブースを設置し開店を祝う。またH&Mメンバー会員が利用できるプリントシールの撮影ブースも設ける。今後同スペースでは、さまざまなコンテンツが展開される予定だ。
H&Mは明治通り沿いにあった国内2号店目の店舗を2022年に閉店した。ポクシンスカ社長は、「旧店舗を閉店してからずっと原宿には戻ってきたいと考えていた。その中で、駅の目の前で利便性の高いこの場所を見つけられたこと、原宿のトラフィックが戻ってきていることを背景に再出店を決めた」と話す。
ウィメンズに限定した理由については、「原宿はファッションの発信地であるからこそ、影響力のある女性たちとより強固な関係性を築いていくことが狙い」と話す。既存店舗よりもスペースをぜいたくに使っているものの、売上目標値は「従来の店舗と同じ基準で設定した」。
H&Mの現在の店舗数は127店舗。今後も街の特性を生かした店作りで出店を続ける方針だ。