コロナ禍でメイク習慣がライトな方向へとシフトして以来、厳しい状況が続く中価格帯メイク。ブランドロイヤルティーの高いデパコス、品質を追求し続けるプチプラに挟まれ、苦戦している。その状況をデパコスやプチプラ、韓国コスメの現状と絡めて多角的に捉えてみる。(この記事は「WWDJAPAN」2024年4月22日号付録「WWDBEAUTY」からの抜粋です)
西原羽衣子/@cosmeリサーチプランナー
中原 絢子/@cosme TOKYO事業部
西村拓也/トモズ 商品部マネージャー
岸野彩/トモズ 商品部チーフ
匿名A/ドラッグストア
匿名B/化粧品販売店
匿名C/ドラッグストア
「国内中価格帯ブランドはベースメイクの評価が高い」
まず関係者が指摘するのは、“中価格帯ブランド”が多様化する中で、特定のブランドを指名買いする傾向はほぼ消滅したということだ。「アットコスメの口コミでは、デパコスである『コスメデコルテ(DECORTE)』の3000円台の化粧下地も中価格帯と捉えられている。プチプラの高価格帯も同様で、生活者は“中価格帯”のことをかなり幅をもって認識している」(西原氏)と話す。中でもプチプラの品質向上は見逃せない。「昨年発売した『エクセル(EXCEL)』の限定パウダーは、2000円台後半の価格にもかかわらずヒットした」(匿名A)と、中価格帯の商品が売れる例も多い。
「デパコス、プチプラ、それぞれの
"中価格帯メイク"を買っている」
加えて、韓国コスメは幅広い世代から人気を集めている。「数年前まで韓国コスメといえばZ世代向けだったが、今は品質や信頼の高まりからF2層(35〜49歳女性)まで広がりを見せている」(匿名B)。「韓国コスメやプチプラは“安かろう、悪かろう”ではなく、品質が担保されてきた。顧客満足度が高くなっている。また、日本経済の低迷も中価格帯メイクにとっては厳しい状況につながっている」(西村氏)。ドラッグストアからは「国内メイクブランドが競争力を落としており、棚を韓国ブランドにシフトし始めた」(匿名C)という厳しい声も。小売店も、中価格帯メイクが苦戦していることで、その売り上げをカバーするべく奮闘している。
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