高島屋前会長の鈴木弘治・同社取締役特別顧問が16日、心不全のため自宅で死去した。78歳だった。すでに通夜、葬儀告別式は近親者で執り行った。
鈴木氏は2003年から社長、14年からは会長として、約21年間にわたりトップに君臨した。今年2月22日には鈴木氏本人からの届け出で、取締役特別顧問に退いていた。
1968年に高島屋入社。労働組合の委員長を経験し、経営企画担当役員として名古屋出店プロジェクトを先導。JR東海との合弁によるジェイアール名古屋タカシマヤの開業を実現させた。
常務、専務、副社長を経て03年3月に社長に就任。百貨店市場に逆風が吹く中で事業構造改革を推進し、財務の健全化にメドをつけた。子会社でショッピングセンター(SC)運営の東神開発との連携により、百貨店とSCで周辺エリアを活性化させる「まちづくり戦略」の礎を作った。
大手百貨店の経営統合が相次いだ2000年代には、阪急阪神百貨店を中核会社とするエイチ・ツー・オー リテイリングとの経営統合を模索したが、実現には至らなかった。