1月10日号の「WWDビューティ」では、毎年恒例の化粧品業界社長特集!この業界をけん引する、企業トップの方々にインタビューを敢行し、その年の取り組みや展望、中長期戦略について語ってもらう、新春企画。さらに、「普段では絶対に聞けない話」からパーソナルな一面も垣間見せていく。今年は9社の企業リーダーに話をうかがい、その中から4人のインタビューこぼれ話を毎日更新していく予定。今回は、社長就任から5年を迎えた、コーセーの小林一俊・社長のインタビュー秘話を紹介する。
冒頭から個人的な話になるが、編集の職に就いて今度の春で4年目を迎える。望んで選んだ道だけど、化粧品にまつわる「ヒト」「コト」「モノ」は知れば知るほど面白さを増し、飽きることはない。特に「ヒト」に関する取材は断トツに面白い。例えば、モノ作りにこだわる研究者。決して“表舞台”に立つことはないけれど、製品が出来上がるまでの苦労話など“ここでしか聞けない”話がたくさん出てくる。ましてや、企業の頂点に立つ社長取材となると、なおさらだ。
コーセーの小林一俊・社長は、普段から記者ミーティングという会合の場でも気さくに話をしてくれる。時には、その後も時間の許す限り応じてくれることも。だから、ブランド方針や新製品の有無、さらには競合ブランドの戦略についての意見も投げてみる。立ち話だが、1対1の真剣勝負に重苦しい雰囲気はなく、時に意見を聞かれることもある。
小林社長は「社長に就任して5年がたった」と感慨深げに話す。就任当時は、中長期戦略を掲げても思うように事が運ばず、苦戦を強いられる形になった。改善することがあれば、それに向けて全力で取り組む一進一退の日々。あっという間の5年間だったという。そんな中、会社としても中核を担うコスメデコルテの代表アイテム「コスメデコルテ化粧液」が発売20周年となる大きな節目を迎えた。発売当初は、大きなプロモーションもせず、“知る人ぞ知る製品”だった。しかし、“一度使うとその良さがわかる”と口コミで知れ渡り、今や「ロングセラー」製品に。「今回、『20th アニバーサリーボトル』を作り大々的にキャンペーンを行なったところ、まだ使ったことのないお客さまにも購入していただけた」と話す。その他、ジルスチュアート、アディクションなど“ブランドならでは”のエッジを生かした製品を発売し、2012年12月末時点の成績は当初の計画を大幅にクリアした形で終えた。「社長に就任してから、ようやく納得のいく筋道が立てられた」と小林社長。「今年は飛躍の年にしたい」と最後に締めくくる。派手な取り組みよりも、地道に改革を実行に移してきた。化粧品市場にどんな改革をもたらすのだろう。小林社長の手腕に期待がかかる。
その他、
アルビオン 小林章一社長
エスティ ローダー エリック・ドゥイエ社長
SK-�U 山田敦事業代表
カネボウ 夏坂真澄社長
サボン 黒石和宏社長
資生堂 末川久幸社長
パルファン・クリスチャン・ディオール・ジャポン オリビエ・サルモン社長
日本ロレアル クラウス・ファスベンダー社長 のインタビューも紹介