【5月15日追記】「フェンディ」は6月24〜27日に開催されるパリ・オートクチュール・ファッション・ウイークへの参加を見送ることを明らかにした。理由は、ショーやイベントのスケジュールを社内で見直したため。関係者によると、クチュールは今後も継続予定だという。同ブランドは2025年に創業100周年を迎えるにあたり、さまざまなイベントを開催予定だ。
フランス・オートクチュール&モード連盟(Federation de la Haute Couture et de la Mode以下、FHCM)は6月に開催する2025年春夏パリ・メンズ・ファッション・ウイーク(以下、パリメンズ)と24-25年秋冬オートクチュール・ファッション・ウイーク(以下、クチュール)の暫定スケジュールを発表した。パリメンズは、6月18日から23日まで開催予定。公式スケジュールで72ブランドがショーやプレゼンテーションを行う。一方、クチュールは、オリンピックの影響で例年より約1週間前倒し。6月24〜27日に、公式スケジュールで30ブランドがショーを開く。
パリメンズの目玉は「ドリス ヴァン ノッテン」
今季のパリメンズのハイライトは、なんといっても現地時間6月22日20時30分(日本時間23日深夜3時30分)からの「ドリス ヴァン ノッテン(DRIES VAN NOTEN)」のショーだろう。これが、ドリス・ヴァン・ノッテン(Dries Van Noten)自身が手掛ける最後のコレクションになる。
そのほか、ショースケジュールに名を連ねるのは「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」や「ディオール(DIOR)」「エルメス(HERMES)」「ロエベ(LOEWE)」「リック・オウエンス(RICK OWENS)」「ルメール(LEMAIRE)」「ケンゾー(KENZO)」「アミ パリス(AMI PARIS)」など。日本からは「コム デ ギャルソン オム プリュス(COMME DES GARCONS HOMME PLUS)」「ジュンヤ ワタナベ マン(JUNYA WATANABE MAN)」「ヨウジヤマモト(YOHJI YAMAMOTO)」「アンダーカバー(UNDERCOVER)」「サカイ(SACAI)」「カラー(KOLOR)」「メゾン ミハラヤスヒロ(MAISON MIHARA YASUHIRO)」「ダブレット(DOUBLET)」「ホワイト マウンテニアリング(WHITE MOUNTAINEERING)」「オーラリー(AURALEE)」「ターク(TAAKK)」「キディル(KIDILL)」「サルバム(SULVAM)」「ベッドフォード(BED J.W. FORD)」の14ブランドがラインアップする。「アンダーカバー」は、近年メンズに関しては展示会で披露していたが、今回は19日にパリメンズでは4年半ぶりとなるショーを開催予定。「アディダス(ADIDAS)」と山本耀司デザイナーの協業による「ワイスリー(Y-3)」も、21日にプレゼンテーションを開く。
公式スケジュールに新たに加わったのは、ベルリン発の「032C」(ショー枠)と昨年10周年を迎えたパリ発のコンテンポラリーブランド「3.パラディス(3.PARADIS)」(プレゼンテーション枠)。一方、ピッティ・ウオモでショーを行う「ポール・スミス(PAUL SMITH)」と、9月のウィメンズでデビュー予定のアレッサンドロ・ミケーレ(Alessandro Michele)による新生「ヴァレンティノ(VALENTINO)」は不参加。「ジバンシィ(GIVENCHY)」と「GMBH」も、今季は参加しない。
クチュールには「バレンシアガ」や「トム ブラウン」が参加
クチュールの公式スケジュールには、「ディオール」や「シャネル(CHANEL)」「フェンディ(FENDI)」「ジョルジオ アルマーニ プリヴェ(GIORGIO ARMANI PRIVE)」「スキャパレリ(SCHIAPARELLI)」「ヴィクター&ロルフ(VIKTOR & ROLF)」「ユイマ ナカザト(YUIMA NAKAZATO)」といった常連に加え、年1回のみ発表を行う「バレンシアガ(BALENCIAGA)」や1年前に初のクチュールを披露した「トム ブラウン(THOM BROWNE)」などが名を連ねる。毎シーズン異なるゲストデザイナーを迎える「ジャンポール ゴルチエ(JEAN PAUL GAULTIER)」は、「クレージュ(COURREGES)」を率いるニコラス・デ・フェリーチェ(Nicolas Di Felice)=アーティスティック・ディレクターによるコレクションを発表する予定だ。
公式初参加となるのは、スウェーデンとイランにルーツを持つデザイナーのバハレー・アルダカーニ(Bahareh Ardakani)が手掛ける「アルダザエイ(ARDAZAEI)」。一方、「ヴァレンティノ」はメンズ同様不参加で、「RVDK ロナルド ファン デル ケンプ(RVDK RONALD VAN DER KEMP)」や「アレクサンドル ヴォチエ(ALEXANDRE VAUTHIER)」も参加を見送った。例年通り、「パトゥ(PATOU)」はクチュール期間中に25年春夏プレタポルテ・コレクションを披露する予定だ。
オリンピックの影響は?
オリンピック開幕は7月26日だが、パリメンズ開幕時点ですでにコンコルド駅(1、8、12番線)とチュイルリー駅(1番線)が閉鎖されているほか、通行止めになる道路もあるため、ファッション・ウイーク期間中の移動には注意が必要。また、競技会場の準備や設営のため、普段ショーやプレゼンテーションを行っているロケーションが使えないブランドも多くなりそうだ。