ワークマンの2024年3月期業績は、本業のもうけを示す営業利益が前期比4.0%減の231億円だった。営業減益は2期連続。暖冬による防寒アウターなどの不振が響き、円安やコスト高騰を吸収し切れなかった。既存店売上高は9期ぶりのマイナスとなる同1.4%減で終わった。7日にオンラインで開催された決算説明会で、小濱英之社長は「リピーター獲得が課題」との認識を示した。
チェーン全店売上高は同3.2%増の1752億円、営業総収入は同3.4%増の1326億円、純利益は同4.0%減の159億円だった。
期末店舗数は純増30の1011店舗。新規出店は「#ワークマン女子」を中心に進めた。引き続き「ワークマン」から「ワークマンプラス」への改装も多かった。しかし「新店や改装店は好調に推移するものの、2年目以降は伸び悩んでいる」(小濱社長)。一過性で終わってしまう消費者が多く、それが既存店のマイナスに影を落とす。作業服とカジュアルウエアを扱う「ワークマンプラス」(552店舗)の既存店売上高が3.4%減であるのに対し、カジュアルウエアに特化した「#ワークマン女子」(48店舗)は11.1%減と落ち込み幅が大きかった。
今期(25年3月期)は、チェーン全店売上高が前期比5.0%増の1839億円、営業総収入が同4.5%増の1385億円、営業利益が同2.1%増の236億円、純利益が同2.1%増の163億円を見込む。期末店舗数は純増45の1056店舗を計画する。リピーター獲得を最大の課題と捉えて、特に女性用の肌着や靴下などの消耗品、子供服を充実し、来店頻度を高める。「#ワークマン女子」の出店先も食品スーパーの隣など、消費者が定期的に訪れる立地を選ぶ。