ファンケルは8日、2024年3月期決算説明会で、小林製薬が製造した紅麹における健康被害問題の影響で2025年3月期のサプリメント事業の売上高は4億円程度の減収を見込むと発表した。同社の商品には、小林製薬の紅麹原料は一切使用していないが、紅麹を使用する機能性表示食品“コレステサポート”の定期解約などが発生。このほか“健康数値サポート”シリーズの売り上げにも一定の影響が残ると見込むが、広告などの見直しで経費が抑えられるため利益面には大きな影響はないとしている。
紅麹問題を巡っては、3月22日の報道直後に問い合わせや定期の解約が一時的に増加したが、4月下旬以降は報道前の状況まで沈静化した。島田和幸社長兼CEOは「報道直後、自社でリスク対策委員会を発足し、ファンケルの安全性の確認やお客さまの反応を見ながらしかるべき対応をしてきた。現在は落ち着いている」と説明。一方で、23年は全社をあげて“コレステサポート”を拡販し、売り上げは前年比30%増と順調に成長していた。「今年も4〜9月期で広告を強化する予定だったが、抑える方針だ」。なお、サプリメント事業は売り上げ全体の4割を占めている。
ファンケルの24年3月期連結決算は、国内の化粧品関連事業や栄養補助食品関連事業が好調に推移し、売上高が前年比7%増の1108億円、営業利益が同60.3%増の125億円、純利益が77.7%増の88億円だった。
25年3月期の見通しは、個人消費の増加やインバウンド消費の回復を含め「過去最高の売り上げを更新する」と期待し、売上高が前期比6.9%増の1185億円、営業利益が同15.3%増の145億円、純利益が同13.2%増の100億円と見込む。