12月26日発行の「WWDビューティ」では、2013年の1年間にビューティ業界で起こった出来事で、影響力や話題性が高かったニュースを編集部がピックアップ、TOP10形式でお送りしている。そこで3日連続で1〜3位を順に紹介する。4位以降や番外編、2014年注目のトピックスなどはぜひ12月26日発行の「WWDビューティ」へ!
●第2位
資生堂の社長交代
資生堂の突然の社長交代劇に、驚いた業界関係者は多かったに違いない。2013年3月11日、同社は末川久幸・前社長の3月末での退任と4月1日から前田新造・会長が社長を兼任することを発表した。前田社長は「成長の行く手を阻む経営課題の一掃」と、「集中と選択による収益構造への転換」の方針を示し、徹底したコスト削減などの構造改革や、収益性の高い領域でより利益を生み出す体質への変換に努めた。アベノミクスによる円安効果や景気回復傾向の後押しもあって、同社の13年度上期の決算は、売上高が対前年同期比108.1%の3605億円、営業利益は同244.4%の204億円、経常利益は同251.7%の210億円、純利益は同107.1%の54億円と前年を上回り、前田社長は一定の成果を出した。
* * * * * * * * * * *
そして同社は12月24日、前田社長が14年3月末日で退任し、4月1日からは、同社でマーケティング統括顧問を務める魚谷雅彦=元日本コカ・コーラ会長が社長に就任すると発表し、年末のビューティ業界にさらなる大きな衝撃を与えた。前田社長は4月1日付で代表取締役会長となり、6月下旬の株主総会をもって、会長も退任し相談役に就任する予定だ。前田社長は「13年度で、成長の行く手を阻む経営課題に大方手を打つことができたため、新たなフェーズが始まる14年度からは新体制で船出を迎えたいという思いがあった」と経緯を述べた。
魚谷雅彦・マーケティング統括顧問は、日本コカ・コーラで「ジョージア」や「爽健美茶」などを手掛け01年社長に就任。06年〜11年まで会長を務めた後、07年企業ブランドヴィジョンを設立した。13年4月に資生堂のマーケティング統括顧問に招へいされ、前田社長が掲げる成長戦略のもと注力ブランドの強化にあたっていた。至上命題として掲げられる「真のグローバル企業への成長」に向け、魚谷次期社長が"マーケティング"を武器にどう老舗企業の舵を取るか、その手腕に注目が集まる。