ビジネス

急成長中「アークテリクス」、クリエイティブトップが語る機能性と美しさを両立する4条件

有料会員限定記事

PROFILE: (左)Katie Becker/「アークテリクス」チーフクリエイティブオフィサー (右)Howard Lichter/「アークテリクス」バイスプレジデント、トーキョークリエイションセンター長

(左)Katie Becker/「アークテリクス」チーフクリエイティブオフィサー<br />
(右)Howard Lichter/「アークテリクス」バイスプレジデント、トーキョークリエイションセンター長
PROFILE: (ケイティ・ベッカー)米ワシントン州出身。アスレチック・アウトドア業界で25年以上にわたって、デザイン・クリエイションのキャリアを積む。12年間在籍したアディダスでは、パフォーマンスカテゴリーのシニアデザインディレクターを務めた。2020年アメアスポーツに入社し、以来現職 (ハワード・リヒター)米シアトル出身。ナイキで20年以上のキャリアを積み、同社のトーキョーデザインスタジオのクリエイティブディレクターも歴任。2022年にアメアスポーツに入社し、「アークテリクス」のトーキョークリエイションセンター立ち上げに従事 PHOTO:SHUHEI SHINE

カナダ・バンクーバー発のアウトドアブランド「アークテリクス(ARC'TERYX)」が、北米以外で初となる開発拠点を、東京・代官山に開いた。ジャパン社ではなく、アメアスポーツ本国の肝煎りといい、オープニングパーティーに本国からクリエイティブの主要メンバーが多数駆けつけていたのが印象的だ。同社は2018年に中国のスポーツメーカー大手のアンタ傘下となったこともあり、以降中国で人気急騰。22年の北京冬季五輪前には、習近平国家主席がシェルジャケットを着ていたことも話題になった。24年2月にニューヨークで株式上場し、約13億ドルを調達している。東京の拠点開設で何を目指すのか、クリエイティブ部門のキーパーソン2人に聞いた。(この記事はWWDJAPAN5月27日号からの抜粋に加筆しています)

WWDJAPAN(以下、WWD):なぜトーキョークリエイションセンター(以下、TCC)を作ったのか。

ハワード・リヒター「アークテリクス」バイスプレジデント(以下、ハワード):ブランドにとって、バンクーバーのコースト山脈の麓で育まれたDNAが最も大切なことは間違いない。ただ、さらなる前進を考えると、職人技術(クラフト)、パフォーマンス性、素材開発、イノベーションといったモノ作りのさまざまな面で日本には強みがあり、ブランドがグローバルで成長していくためには、そうしたものを学んでいく必要がある。

ケイティ・ベッカー「アークテリクス」チーフクリエイティブオフィサー(以下、ケイティ):バンクーバーで製品開発をする中で、日本のモノ作りの考え方と共感する部分は多い。カナダの小さなブランドとして始まり、世界に出てもっと大きくなっていくために北米以外に開発拠点を作ろうとなったとき、絶対日本だと思った。日本はモノ作りにおいて美意識もイノベーションも重視しており、われわれが目指すものと近い。私自身、日本には20年以上通い続けているが、パウダースノーは世界一だし、クライミングを楽しむ人も多い。山のアスリートやガイドと、山での経験をこれまでとは違う角度で見ることができる。

ハワード:日本には四季があることも大きい。特に夏は高温多湿で、バンクーバーと全く違う。この環境でアスリートやガイドが何を求めているのか、彼らと交流して吸収し、新しいモノを作り出したい。ここはクリエイションセンターであると同時にコミュニティーセンターだ。アスリートや日本にいるさまざまなデザイナー、職人、素材開発者、顧客といった、多様なコミュニティーが集う場を目指す。

「高温多湿な日本でモノ作りの精度を上げる」

この続きを読むには…
残り2856⽂字, 画像6枚
この記事は、有料会員限定記事です。
紙版を定期購読中の方も閲覧することができます。
定期購読についてはこちらからご確認ください。

関連タグの最新記事

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

27メディアが登場、これが私たち自慢の“ナンバーワン”【WWDJAPAN BEAUTY付録:化粧品専門店サバイバル最前線】

11月25日発売号は、毎年恒例のメディア特集です。今年のテーマは "ナンバーワン"。出版社や新興メディアは昨今、ウェブサイトやSNSでスピーディーな情報発信をしたり、フェスやアワードなどのイベントを実施したり、自社クリエイティブやIPを用いてソリューション事業を行ったりなど、事業を多角化しています。そのような状況だからこそ、「この分野ならナンバーワン!」と言えるような核を持てているかが重要です。

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

@icloud.com/@me.com/@mac.com 以外のアドレスでご登録ください。 ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。 This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

メルマガ会員の登録が完了しました。