毎週発行している「WWDJAPAN」は、ファッション&ビューティの潮流やムーブメントの分析、ニュースの深堀りなどを通じて、業界の面白さ・奥深さを提供しています。巻頭特集では特に注目のキーワードやカテゴリー、市場をテーマに、業界活性化を図るべく熱いメッセージを発信。ここでは、そんな特集を担当記者がざっくばらんに振り返ります。(この記事は「WWDJAPAN」2024年5月27日号からの抜粋です)
皆合:2021年に、サステナビリティに関する知っておくべき基礎用語を集めて特集しました。それから3年たち、アップデートもあり、新しい言葉も出てきたので、再度まとめようとなりました。
木村:65のワードを紹介していますが、前回と同じ用語も入れています。でも「マッシュルームレザー」は3年前は先進でしたが、最近は「動物由来でないものはレザーと呼んではいけない」という規制も出てきています。そうした現状も踏まえて、知るべき用語を解説しました。
皆合:その中から5つの用語について深掘りしましたが、木村さんはどうして「デジタルファッション」を?
木村:普段からいろんな企業やブランドを取材していますが、ラグジュアリーと国内アパレルとファストファッションでは取り組むべき課題が違うと思うんです。エンターテインメント要素が強いファッションは、もっとデジタルな楽しみ方があるのではと考えたのと、先日ロンドン カレッジ オブ ファッションの教授のデジタルファッションについての話を聞いた際に、全然分からない用語が多くて、学びたいと思ったのがきっかけです。
皆合:確かに業態ごとに課題って違いますよね。取材してみてどうでしたか?
木村:3Dモデリングのソフトはたくさんあるのですが、アパレル業界では2Dでやってきたことをベースにしたソフトを使ってサンプル作りの工程を減らしています。一方、デジタル系の人たちは違うソフトを使って2Dのファッションではできないアイデアを実現したりしているんですよね。まだまだ距離があるのだなと感じました。皆合さんは「グリーンウォッシュ」ですよね。
「この表現で適切なのかな?」を解消したい
皆合:サステナビリティの状況は刻々と変化しているので、記事を書く際に「この表現で適切なのかな?」と不安になることが多いんです。ブランドからのリリースも、時々曖昧なところがあり、私と同じように不安を感じながら書いている人も少なくないんじゃないかと考えました。そこで、改めて現状の把握をしたいと海老澤美幸弁護士を取材したところ、リスクを避けるにはやはり「根拠に基づくエビデンスを提示することが大事」だと。また、「曖昧な表現は消費者を欺くことで、それにより本気で取り組んでいる企業が埋もれてしまうのも問題」という指摘にも納得しました。私たちも頑張りましょう!