ピーチ・ジョンは4月、お笑いコンビ「フォーリンラブ」のバービーを起用したブランド「ルフルダダ(LUHUL DADA)」の新コレクション試着会と座談会を開催した。この座談会は、バービー本人の要望から実現。13人の参加者は、ピーチ・ジョンの公式インスタグラムでアンケートを実施して選出した。座談会ではコラボ商品の愛用者13人が司会者のバービーを囲みながら、新コレクションの感想をはじめ、下着に対する思いや悩みなどを語り合った。
新作については、「気分が上がる」「つけ心地が良い」といった声をはじめ、ブラジャーはアンダー90cm、Hカップまで、ボトムスは、5Lサイズまでと幅広いサイズを展開するブランドらしく、「ブラとショーツがおそろいで着けられてうれしい」「初めてソングをはいて快適だと感じた」「自分の体に合う下着を選べばいいと思えた」という感想も。参加者は、これらリアルな声をSNSで拡散。座談会終了後、バービーにコラボ愛用者と向き合った感想を聞いた。
下着のデザインの機能性を通して元気を届けたい
WWD:初めてのリアルな座談会の感想は?
バービー:20年にコラボを始めたが、私の思いや商品に対するこだわりが、ちゃんと伝わっていると初めて実感して驚いた。「下着を通して考え方が変わった」という声もあり、このコラボを通して何かを変えたり心に響いたりするきっかけを作れたことをうれしく思う。
WWD:自分にとって、このコラボの意味は?
バービー:このコラボが女性の体について話すきっかけになった。世の中でフェムテックや「性と生殖に関する健康と権利(SRHR)」の発信が増えたが、下着は、女性の置かれている立場や生活が伝わってくる存在。私と女性の体をつないでくれる存在が下着だと考える。
WWD:「ルフルダダ」を通して伝えたいこととは?
バービー:「自分の体だっていい」と体に対する肯定感がアップしたり、下着を着けることでテンションが上がったりするきっかけになればいいと思う。それは、コラボを始めた時から変わっていない。デザインと機能性の2つを通して着ける人に元気を届けられたらと思う。資材などが高騰していて難しいが、より多くの人に着けてもらえるよう、価格も23年にブランド化する以前よりも抑えられるように努力している。
WWD:20年から続く「ピーチ・ジョン」最長のコラボだが、心掛けていることは?
バービー:まず、売れないと続けられないということを意識している。自分が好きなデザインで進めることもあるが、販売枚数が見込める事も大切。私の中ではいつも、その2つのせめぎ合い。数字を見ると、予測とギャップがあることも多い。いつも売れるサイズがデザインによって売れないときもある。それらについて日々勉強しながら、守りと攻めのバランスを追求している。
妊活・妊娠により変化した下着への考え
WWD:ボディーポジティブやフェミニズムに関する取材も増えているが、情報発信する際に心掛けていることは?
バービー:「……するべき」「……がおすすめ」という言葉は使わないようにしている。あくまで“私”を主語にして、物ごとを伝える。自分で決断したり行動したりすることが大事で、それが自信につながったり自己肯定感を上げたりする秘訣だと思う。だから、「私は私の考えでこうしたので、自分の考えで決定してほしい」というニュアンスを伝えるようにしている。
WWD:これから挑戦したいことは?
バービー:女性の体にフィットする専門的なアイテム、例えば、生理や妊娠・出産に関連するものや悩みに寄り添うような商品を手掛けられたら嬉しい。これまでデザイン重視だったが、妊活・妊娠したことで、快適性を重視するようになり、下着に対する考え方が変わった。
内田美央ピーチ・ジョン広報宣伝担当は、コラボがこれほど長く続いた理由を「女性からの信頼度がとても高く、見逃してしまいそうな小さな心のモヤモヤにも真摯に向き合ってモノづくりしているのが理由」と語った。新たなライフステージを迎えたバービーとのコラボは、今後さらに充実したものになりそうだ。