これを男女という二元論で語るのは乱暴かもしれませんが、「リーバイス(LEVI'S)」と「オーデマ ピゲ(AUDEMARS PIGUET)」という、扱う商材も、規模感も、風土も異なるブランドが、女性CEOの手により同じように変わろうとしていることをポジティブに捉えたので、皆さんと共有できればと思います。
まず「リーバイス」は、米小売大手コールズの最高経営責任者だったミシェル・ガス(Michelle Gass)が社長に就任。女性だからか、小売出身だからか、24-25年秋冬コレクションは、単純に言えば「『リーバイス』に、こういうのがあったら売れそうなのに」というウィメンズがバリエーション豊かになった印象です。例えばマーメイドシルエットのデニムスカートとか、デニム・オン・デニムのように見えるフェイクレイヤードのドレスなどでしょうか?PRに「こういうアイテムは、これまでなかった?」と尋ねると、「実は、そんなに多くなかった」と答えます。でも、「リーバイス」がライフスタイルブランドになるには必要だし、聞く限りちゃんと「リーバイス」ですよね(実際、ちゃんと「リーバイス」でした)?とても良き商材の拡充という印象を受けました。
もう一つの「オーデマ ピゲ」は、前職は香料大手のフェルメニッヒ、その前は一般消費財を扱うプロクター・アンド・ギャンブルに20年以上籍を置いたイラリア・レスタがCEOに就任しました。彼女にとって初めての肝入り時計は、ブランドのアイコン“ロイヤルオーク”の23mm時計。従来最も小さかった“ロイヤルオーク”より11mmも小さいので、クオーツ時計。金無垢の時計は、独自のフロステッド加工のおかげもあって、ほとんどジュエリーです。ターゲットは、当然女性。時計好きの男性にはクオーツを敬遠する人もいるでしょうが、正直ターゲットが女性なら大きな問題ではないでしょう。実際、小柄な人が多い日本人女性にとても売れそうです。
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