ロンドン発のヘアショー「NOISETOKYO(ノイズ トーキョー)」が6月30日、東京・恵比寿のライブハウス「リキッドルーム」で開催され、約900人が来場した。約2時間に及ぶショーは多くの観客を魅了した。「NOISE」は、2012年にロンドンでリチャード・アッシュフォース=「SACO」ヘアデザイナーが始めたヘアショーで、従来と異なる前衛的で、刺激的なヘアショーとして、若い世代の美容師に人気だ。
出演者は、ロンドンのリチャード・ヘアデザイナーをはじめ、ニューヨークからはピーター・グレイ=ヘアスタイリストが、日本国内からは「ウカ(uka)」「ダダ キュービック(DADACuBi C)「ダブ(Da B)」「ベチカ(vetica)」の4サロンが参加した。ショーでは1サロン2人が登場し、各美容師がモデル1人をカットしていった。
ヘアショーで最初に登場したのは、「ベチカ」の内田聡一郎クリエイティブディレクターと高木貴雄ヘアスタイリスト。日本を意識した和の雰囲気を打ち出した構成で、「モデルの地毛をしっかりとカットして、日本の美容師のクリエイティビティを見せたかった」と語る。続く、「ダダ キュービック」の古城隆アートディレクターと永江浩之ヘアスタイリストは「静」の雰囲気の中、カットの美しさで魅せた。
国内組が終わると、ニューヨークから来たピーター・ヘアスタイリストが親交のあるマサ本田「ホンダ アヴェダ」代表らとパフォーマンスを披露。ポールダンスや過剰なスモークなど、もはやヘアショーというよりは、エンターテインメントショーに近い感じの演出。最後はロンドンのリチャード・ヘアデザイナーが自身のヘアサロン「サコ(saco)」のメンバーと最後を締めくくるショーを披露した。
今回の「NOISE」では、日本の美容師はモデルの地毛をしっかりとカットするということへのこだわりが強かったのに対し、外国勢はエンターテインメント性の高いショーという意識の違いが感じられた。日本ではメーカーやディーラーが主催するヘアショーが多い中、こうした外国のヘアショーが開催されるのは、日本のヘア業界にとっても刺激になるはずだ。