絶賛ラン活沼にハマり中だ。来年小学生の息子がラベンダーのランドセルがいい!との一点張り。だけどラベンダーといえば、ハートの刺しゅうにお花柄の裏地など、セオリー通り、女の子向けばかりなわけである。え?こんな時代に!?なんて思うのだけど、真実は残酷……。そもそも納品は来年なんだから、カスタムオーダーでもできないものか?と探してみるのだけど、なかなか気にいるデザインがない(僕がこだわり過ぎなのかも)。というわけで今回は、同じように悩める子羊たちへ。(この記事は「WWDJAPAN」2024年6月17日号からの抜粋で、無料会員登録で最後まで読めます。会員でない方は下の「0円」のボタンを押してください)
スタイリストMASAHさんに聞く!
“MASAHさん、
どんなランドセル選べばいいですか?”
PROFILE: MASAH/スタイリスト
小学校4年生と1年生の男の子の父親でもあるスタイリストのMASAHさんが、三越伊勢丹のオリジナルランドセルをディレクションしているとか。奥が深いランドセル業界に新風を吹き込む業界の異端児に、ランドセル論を聞いた。
――ランドセルをディレクションすることになったきっかけは何ですか?
MASAH:4〜5年前、長男が小学校に上がるときに、伊勢丹にランドセルを見に行ったんですけど、違った意味で衝撃を受けました。ある程度想像はしていたのですが、僕の時代から変わっていなかったから。当時はまだ、「軽量ランドセル(布製などのランドセルリュックなどを指す)」は需要がなく、子どもも普通のランドセルに憧れていて。すでにカラバリはたくさんあったし、女の子は刺しゅう、男の子は戦隊ものっぽいデザインが多かったです。だけど、このパーツはいるのかな?と感じる部分もあったので、伊勢丹と仕事をしていた(プロフィール参照)流れで、そういうものを省いた真っ黒のランドセルをオリジナルで作るのはどうですか?と提案したんです。それがきっかけで、モニタリングやアドバイスを含めて、伊勢丹のオリジナルブランドをディレクションさせてもらえることになりました。実際いろいろ話を聞いてみると、やっぱり軽量ランドセルにもそれなりのデメリットがあるし、従来のランドセルが進化していないわけでもない。でも一方で、普通すぎるものもありませんでした。
――確かに全体的に凝っているものが多いですよね。
MASAH:やっぱりどこも盛るんですよね、子どものために。実際関わらせてもらうと、ランドセル協会があったり、いろんな事情も絡んでいて、できないこともたくさんある。これはやっぱり進化しないなとも思ったんですけど、よく言えば、すごく早い段階で完成形ができたということでもあります。だからそこに機能やデザインを足していった方が、本来ならセールスにつながる。マイナスの発想がないんです。おじいちゃんやおばあちゃんが買ってあげるものだったりもするから、なるべく良くて高いものを作るっていう概念がありました。そんな中で、1つのターニングポイントになったのが、僕はSNSの進化だと思います。それによって、これまでランドセル業界がうやむやにしていたみんなの小さな声が大きな声になってしまった。「重すぎない?」とか「6年間持たせる必要ってあるの?」とか。それまでは、ランドセルはランドセルだったんですけど、そういう世論の後押しで、例えば「ファミリア」の“エアラン”をはじめとする軽量ランドセルが売れてきたり、“ランリュック”という言葉が出てきたり、いろんなブランドが新しいカテゴリーに進出してきました。それが昨今のトレンドです。
――では、ランドセルの意義はなんですか?
MASAH:僕は小学生にとってのシンボルだと思っています。日本の文化であって、制服を買うようなもの。6年間毎日使うかもしれない大切なもので、学校生活にとって一番欠かせないもの。身長だって中には160cmぐらいになる子もいるし、体力だってみんなそれぞれ。10万円が高いか安いかも家庭によるし、6年間持たせるかどうかもそれぞれの家庭の判断でやるべきだと思います。“ランドセル難民”という言葉があるように、安全面、価格面、機能面、全てにおいて満点のランドセルを見つけ出そうとしますが、子どもだって使い分けているわけじゃないので、正確には比較できないんです。前提として、ランドセルを親が選ぶか、子どもが選ぶかにもよりますが、今は子どもに選ばせたいという親がダントツで増えています。そんな中で親の意見との折衷案をどうするかですが、子どもは選んだときと届いたときの意見が丸っ切り変わったりするものなので、僕は親がうまく誘導する方がいい気がします。ランドセルは自分の名前みたいなもので、最終的には何を買っても自分のものになりますよ。
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おしゃれ界隈のランドセル
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