TSI ホールディングス(以下、TSI)と傘下の東京スタイルは、2月23日に突然の社長交代を発表。同日午前に行なわれたTSI の取締役会で、中島芳樹・社長と原島春樹・取締役の解任が決議され、2人は同時に東京スタイルの社長職、専務職も解任された。両社の社長には、TSI とサンエー・インターナショナル(以下、サンエー)の三宅正彦・会長(写真)が就任した。
東京スタイルとサンエーの経営統合が発表されたのは2010年10月。この統合により、オンワードホールディングス、ワールドに続く業界第3位のアパレルメーカーとして船出したがわずか1年4 ヵ月後に暗礁に乗り上げた形になった。三宅会長は「故高野義雄・前社長から東京スタイルの将来を託された」と統合解消の選択肢は考えなかったと言う。解任の直接の原因になったのは、中島社長の独断専行と、東京スタイルの業績の急激な悪化だ。社長就任以来の積極的な投資・買収で東京スタイルの体質改善を急いだ中島社長の独断専行を見るに見かねた三宅会長が大ナタを振るったということになる。
すでに東京スタイルは早期退職者の募集を開始、また、中島社長時代に推進し5月に開業したばかりのベトナム工場の売却を発表するなど、黒字化に向けた「聖域なき構造改革」に着手した。