阪急阪神ホールディングスは、阪神梅田本店が入る大阪神ビルを建て替える方針を固めたと4日夜の日経電子版が報じた。早ければ2014年度中に着工する。南側に隣接する新阪急ビルと一体で再開発し、高層ビルを建設する見通し。両ビルの建て替え計画は07年以降、何度も浮上しては延期された経緯があるが、実現すれば激戦区・梅田の商業地図に大きな影響を与えそうだ。
報道によれば、同社は昨年12月28日に容積率の緩和などを求める要望書を大阪市に提出。角和夫・社長は「市の都市計画審議会で了承が得られれば具体化を進めたい」と話したという。阪神梅田本店を運営するエイチ・ツー・オー リテイリングの広報は「コメントできない」としている。
大阪駅・梅田駅界隈では一昨年にJR大阪三越伊勢丹とルクアが開業、大丸梅田が大幅増床、昨年11月には阪急うめだ本店が7年に及ぶ建て替え工事を終えて全面開業、さらに今年3月には大型商業施設「グランフロント大阪」が開業し、競争が熾烈を極めている。そんな中、唯一動きのなかったのが阪神梅田本店だったが、1963年に完成した大阪神ビルは老朽化や耐震補強の必要性が指摘されており、再開発に踏み出すことになった。
08年に阪急百貨店と阪神百貨店の合併で誕生したエイチ・ツー・オー リテイリングは、「高級路線の阪急うめだ本店」「庶民的な阪神梅田本店」という具合に隣接する両百貨店のすみ分けしてきた。阪神梅田本店がどのような新しい百貨店のヴィジョンを打ち出すのか注目される。