イタリアの高級ヤーンメーカーであるリネアピウ イタリアは、2015年春夏向けのニットヤーンに、ビスコースとナイロンのミックスを打ち出す。このほど来日したアレッサンドロ・バスタリ会長兼CEOは、「15年春夏のニットは、ラメの入った光沢糸を使った薄くてエレガンスなものや、細い化学繊維を使い密度が高くした、幾何学柄のものがトレンドになりそうだ」と語り、14-15年秋冬まで主流だったミドルからローゲージだったヤーンカウントは、今後ハイゲージに移行していくことを示唆した。
バスタリ会長兼CEOは、その背景を「化学繊維がこれほどトレンドになるなんて、数年前には考えられなかった。絶えず技術の進歩に投資しており、我々の開発した髪の毛よりも細い糸なら、重さわずか40gのエレガントなニットのワンピースを作ることも可能。こうした技術の進歩が新しいトレンドを生み出した」と語る。
リネアピウ イタリアの13年12月期の売上高は前年比107%の3800万ユーロ(約53億2000万円)だったが、14年12月期も4000万ユーロ(約56億円)と増収を計画する。「14年1〜3月まででも、前年比プラスで組んだ予算を超過達成している。我々の顧客であるラグジュアリーブランドの業績が回復傾向にあることも理由の一つだが、それ以上に本当にいいものをきちんと提供できる企業が少ないことが挙げられる。ヤーンに限らずあらゆる分野に言えることだが、供給過剰なマーケットで、ブランド力があり、それを裏切らない品質とサービスを提供できる企業は、実は少ない。当社は毎年500以上の新商品を開発しているが、そのうち市場に出すのはわずか80アイテムのみ。苦しい時期もあったが、絶え間なく技術開発を続け、ブランド力を高めてきたことが生きている」。
*本文中の円換算レート:1ユーロ=140円