コンパニー フィナンシエール リシュモン(COMPAGNIE FINANCIERE RICHEMONT以下、リシュモン)は7月2日、傘下ブランドであるカルティエ(CARTIER)のシリル・ヴィニュロン(Cyrille Vigneron)=プレジデント兼最高経営責任者(CEO)の退任を発表した。これに伴い、新たなCEOとして、やはり傘下に持つヴァシュロン・コンスタンタン(VACHERON CONSTANTIN)のルイ・フェルラ(Louis Ferla)CEOを任命した。9月1日付で就任する。
ヴィニュロン=プレジデント兼CEOは、1961年フランス生まれ。パリのESCP経営大学院を卒業。1988年から2013年までリシュモン内でカルティエ ジャパン社長、リシュモン ジャパン社長、カルティエ ヨーロッパ社長を歴任した。14年からLVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON)のジャパン社の社長を務め、16年1月から現職。なお、フェルラ新CEOに業務を引き継いだ後は、同ブランドの慈善団体であるカルティエ・カルチャー・アンド・フィランソロピー(CARTIER CULTURE AND PHILANTHROPY)の会長に就任するという。
フェルラ新CEOは、01年にリシュモンに入社。傘下ブランドのダンヒル(DUNHILL)で、香港や台湾事業のマネージャー職を務めた。06年にカルティエに加わり、中国事業のCEOなど要職を歴任。17年からヴァシュロン・コンスタンタンのCEOを務めている。
リシュモンのヨハン・ルパート(Johann Rupert)会長は、「8年にわたり、大胆なビジョンとリーダーシップを持って『カルティエ』を率いてくれたシリルに深く感謝する。その指揮の下、『カルティエ』は新たな高みに到達し、ラグジュアリーの基準となるブランドに成長した。また、後任の選定をサポートしてくれたことにも感謝している。今後、シリルは以前から情熱を抱いていた分野で新たな役割を担うが、そのさらなる活躍を願っている」と語った。
また、フェルラ新CEOについては、「ルイが『カルティエ』のトップに就くことを引き受けてくれて、とてもうれしく思う。彼は『ヴァシュロン・コンスタンタン』をオート・オルロジュリー(高級時計)の頂点へと導いたことから、グループ内および業界全体から敬愛されている。その豊かな経験とリーダーシップは、『カルティエ』の長期的な成功に不可欠なものと確信している」と述べた。