米メイン州で1912年に創業したアウトドアカジュアルブランド「エル・エル・ビーン」は2024年秋、代表商品であるフィールドコートが100周年、コットンキャンバスのトートバッグ“ボート アンド トート”が80周年を迎える。23年春にスタートした日本市場向けのライセンス商品“ジャパンエディション”も好評で、「直営店には10〜20代の若い客が増えた」と日本支社の広報担当者。このところ、2次流通でも「エル・エル・ビーン」の人気は高まっており、今秋冬にかけてさらに盛り上がりそうだ。
「エル・エル・ビーン」は、伊藤忠商事が22年に日本市場におけるマスターライセンス権とインポート商品の卸売り販売権を取得。“ジャパンエディション”は、岐阜のアパレルメーカー、美濃屋が伊藤忠とサブライセンス契約を結んで企画し、ビームスやアーバンリサーチ、フリークスストアなどに卸販売している。“ジャパンエディション”は、1980〜90年代などのアイコニックな定番アイテムの丈やシルエットを今の時代や日本人の体形に合わせてアップデートすると共に、素材や機能性も現代的に変えているのが特徴だ。
アイコンの着丈や素材をアップデート
例えばハンティング用コートが原点のフィールドコートは、元来はコットンの地厚な生地で作られている。それを、“ジャパンエディション”ではポリエステルやナイロン混のコットンにして軽さを出し、同時に発熱機能性の中綿を入れて温かさも追求した。また、丈はやや短めにし、身幅はゆとりをもたせている。価格はロング3万9600円、ショート3万5200円。フィールドコート100周年を記念し、米国企画のインポート商品でもアップデート版のフィールドコートを企画している。オイルドコットン素材で、4万2900円。
“ボート アンド トート”は、かつてに比べて全体的にコンパクトなサイズ感が中心になっているのが特徴。また、80周年に合わせてストラップ付きのクロスボディートート(1万6500円)も今秋は企画した。
愛好者の秘蔵品も展示
米国で企画している商品も、懐かしい雰囲気はそのままに、時代に合わせて随所にアップデートを施している。例えば、毎秋冬人気のフランネルシャツは、アノラックのようなかぶりのデザインや、フロントジップのフード付きなども企画し、羽織り感覚で着こなせるようにしている。軽いハイキングやキャンプといったシーンでも着られるように、表地に100%再生素材を使った防水のレインブルゾン(2万6400円)や、「ゴアテックス」使用の本格的なレインシェル(5万3900円)などもそろえる。ハイキングシューズや軽量ザックも企画した。
24-25年秋冬の展示会では、「エル・エル・ビーン」好きの業界人などから集めた、愛用のフィールドコートや“ボート アンド トート”も展示。アメカジの名店「原宿キャシディ」の八木沢博幸店長や、格闘家でファッション好きとしても知られる宇野薫さんなどの愛用品を展示した。