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ユナイテッドアローズの3月期決算は増収減益 長期計画の数値目標を取り下げ

 ユナイテッドアローズの2016年3月期決算は、売上高が1409億円(前期比107.5%)、営業利益が110億円(同97.5%)、経常利益が111億円(同96.8%)、純利益が64億円(同102.6%)だった。主に1~3月期の苦戦により利益が落ち込んだ。2期連続の減益を受けて、同社は13年5月に発表した、22年に向けた長期ビジョン「UA VISION 2022」の数値目標(売上高2200億円、経常利益率12%、ROE20%)を一旦取り下げる。中長期的な経営計画に関しては、17年5月に開示予定だ。

 減益の主な要因は、売り上げの計画未達と、調達原価の高騰によるもの。特に調達原価の高騰は、急速にASEANシフトを進めたことで商品調達のリードタイムが長くなり、トレンドや実売動向への対応など機動的な品ぞろえができず、売り逃しや売価変更などが増え、結果的に原価率が上がったことが要因だ。同社は、商品企画力とMD力の向上のために商品戦略本部と、「アナザーエディション」や「オデット・エ・オディール」「ドゥロワー」などのスモール・ビジネス・ユニット本部(SBU本部)を新設した。

 前期から進めてきた、シーズンを8回に細分化する「8シーズンMD」に関しては、「『グリーンレーベル リラクシング』で奏功し、他業態に関しては引き続きテスト段階だ」と竹田光広ユナイテッドアローズ社長。またEC事業に関しては、売上高が162億円(前期比114.3%)と伸長している。「ECを利用するお客さまは着実に増えているが、まだまだ機会ロスも出してしまっている。現在のEC化率は12.7%と、他社に比べて遅れている。ECのニーズが高い商品に関しては積極的に在庫を配分し、商品供給のスピードアップを図る」と竹田社長。また4月29日に南青山にオープンした「H ビューティ&ユース」に関しては、「従来の『ビューティ&ユース』は『ユナイテッドアローズ』から派生したカジュアル部門という位置づけが強かったが、そこから脱皮し、単独の世界観を演出するショップとして出店した。今後は、都市部店舗ではこだわった品ぞろえに注力する一方、郊外店舗では、現在ECのみで展開する派生レーベル『スモールBY』など値ごろ感のあるものに一部シフトしていきたい」と語った。

 17年3月期は売上高が1504億円(前期比106.8%)、営業利益が113億円(102.6%)、経常利益が114億円(102.3%)、純利益が68億円(同106.1%)を見込む。

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