アシックスは足元業績の好調を受け、2024年12月期の連結業績予想を大幅に上方修正する。修正後の業績予想は、売上高が前期比11.9%増の6600億円(修正前は5900億円)、営業利益が同63.8%増の950億円(同580億円)、純利益が同61.1%増の580億円(同360億円)。いずれの項目も過去最高となる見通し。海外販売が好調に進捗し、円安の進行も有利に働いた。
第二四半期(4〜6月)の連結売上高(速報値)は、前年同期比21.8%増の1678億円。エリア別では、中華圏が同37.7%増、欧州が同26.9%増とけん引した。ライフスタイルスニーカーを展開する「アシックススポーツスタイル」が欧州の若者に支持を受けており、「中でも(人気モデルの)“ビンテージテック”が非常に好調。『オニツカタイガー』もアジアを中心に人気が高く、日本の店舗も観光客で常に盛況だ」と廣田康人CEO。そのほか、日本事業を展開するアシックスジャパンが前年同期比24.3%増、北米事業が同16.2%増、オセアニアが同22.1%増、東南アジア・南アジアが同30.3%増の84億円と、いずれの地域でも前年同期実績から2ケタ増となった。
通期では、今回上方修正した予想通り着地すれば、昨年11月に策定した中期経営計画(〜27年3月期)で掲げた目標値である「営業利益800億円」を2年前倒しで達成することになる。今夏にはパリ五輪も開催されるが、「売上高にそこまでの好影響は期待していない。そもそものブランド力が強くなっており、(上方修正後の)目標は十分達成できると考えている」と自信を深める。