ギャラリー・ド・ポップは、ポップインターナショナルのグループ会社として1989年に設立されたが、創立者の小林司・社長によって、2011年には完全独立。現在手掛けるブランドは、ピュアヤング対応の「プードゥドゥ」、30歳キャリアを対象にした「パドカレ」のウィメンズ2ブランドが主力。この他に卸のみを行なっているメンズ・ブランドの「サージュ・デ・クレ」があり、年商は40億円程度の中堅アパレル企業だ。しかし、堅実なビジネスを展開して来た同社にも、08年9月のリーマン・ショックの影響は大きく、60億円あった年商も40億円へ縮小した。小林社長は、「幸いなことに、すでに前年の07年からブランドの整理やセレクト業態の休止など、規模の拡大をやめ、自社ブランドのブラッシュアップを進めていた」と語る。
同時にブランドの価値を世に問うべく、トラノイ(パリ)やコーテリー(ニューヨーク)などの海外展示会への出展を「パドカレ」で08年から続けて来た。「パリではなかなかビジネスにならないが、コーテリーでは、40〜50件の注文があった。現在ではFOB(船積み価格)で1億円ほどのビジネスになっている」。そして今回ニューヨーク のソーホーへの出店を決め、4月19日に「パドカレ」の路面店がオープンする。「海外出店では中国が注目されているが、海外の展示会で中国人バイヤーの姿を見たことがない。我々のようなミドルプライス商品にはニューヨーク市場しかない」と小林社長。
「パドカレ」ニューヨーク 店は、1階が70坪の店舗、地下90坪はショールーム&オフィスとして使用する。ほとんど日本からのシッピング(生産は中国60%、日本40%)になるが、日本の小売価格の1.3倍程度で、ドレスで400ドル程度。「初年度1億円、100万ドルが目標で、これなら採算がとれる」と小林社長は自信を見せている。